鳥取市は、2026年8月に「鳥取駅周辺再生整備計画(素案)」を取りまとめ、市民政策コメントの募集を開始します。2024年6月に策定した「鳥取駅周辺再生基本計画」をもとに、鳥取駅周辺リ・デザイン会議や市民ワークショップ、関係機関との協議などを重ね、駅周辺の将来像や具体的な整備方針、空間デザイン、複合施設の方向性などを示したものです。
目指す将来像に「次の50年へ。未来創造ステーション」を掲げ、駅とまちなかの回遊性を高めるとともに、交通結節機能の再編、北口・南口広場の整備、多世代が利用できる複合施設の整備などを計画しています。公共整備分の概算事業費は約120億円とされ、今後は民間事業者との連携や民間活力の導入も視野に入れながら、具体的な事業化を進める方針です。
鳥取駅周辺再生整備計画(素案)の概要
1.「未来創造ステーション」を掲げる駅周辺再生
「次の50年へ。未来創造ステーション」を掲げ、鳥取駅を中心とした新たな駅まち空間の形成
駅から人・モノ・コトがまちなかへ広がる都市構造の再構築
2.駅とまちなかをつなぐ歩行者空間
鳥取駅と中心市街地の分断を解消し、歩行者が自然に回遊できる駅前空間の形成
県道43号線の平面横断などを視野に入れた、誰もが歩きやすい動線の確保
3.北口広場を「鳥取駅の顔」として整備
既存の風紋広場と同等以上の面積を確保し、日常利用とイベント利用を両立する広場の整備
隣接する複合施設との一体利用や電源・給排水設備などを備えた賑わい拠点の形成
4.南口広場に水と緑を生かした空間を創出
緑や親水空間を取り入れ、山白川沿いの遊歩道との連続性を高めた憩いの場の整備
北口の賑わいと南口の落ち着きを組み合わせた、駅周辺全体の回遊性向上
5.バスターミナルなど交通結節機能を再編
バス、タクシー、一般車などの交通動線を整理し、安全性と乗り換え利便性を高める交通拠点の形成
雨や雪に濡れにくい動線や案内サイン、デジタルサイネージなどを備えた分かりやすい駅前交通機能
6.防災・ユニバーサルデザインに配慮
災害時の活動・情報集積拠点としての機能を備え、緑化や雨水浸透などにも配慮した駅前空間
バリアフリー動線の確保や積雪・塩害など鳥取特有の気候に対応した素材・工法の採用
7.多世代が利用する複合施設を整備
子育て支援、青少年活動、市民活動、インキュベーション、図書機能などを組み合わせた複合施設
多世代の交流や新たな活動・ビジネスの創出を促し、地域の活力につなげる交流拠点の形成

計画では「次の50年へ。未来創造ステーション―ワクワクが止まらない、駅からはじまるミライのカタチ―」を掲げ、鳥取駅を中心とした新たな駅まち空間の形成を目指しています。鳥取駅を単なる鉄道駅や乗り換え場所として捉えるのではなく、地域の人々や来訪者が集まり、交流し、新しい活動が生まれる都市の拠点として再構築する考えです。
広域交通の起点となる駅の拠点性を高め、駅から人・モノ・コトがまちなかへ広がる都市構造を再構築するものとしています。駅を出た人が中心市街地へ自然に歩き、まちなかで過ごした後に再び駅へ戻るような、連続性のある駅周辺を目指しているとのことです。
整備方針は、①駅とまちなかのつながりを強化し、市民や来訪者が集う広場空間、②まちを楽しむライフスタイルを支える交通広場・ターミナル、③多世代の交流や地域社会の魅力向上につながる居場所・活動の場、の3つを柱としています。これらを一体的に整備することで、日常利用と観光・イベント利用の双方に対応できる駅前空間を形成する計画です。

駅周辺では、鳥取駅と中心市街地の間にある心理的・物理的な分断を解消し、歩行者がまちなかへ自然に回遊できる空間づくりが進められます。駅を出た後に進む方向や目的地がわかりやすく、歩いてみたいと思える景観や動線を整えることが重要なテーマとなっています。
特に北口では、若桜街道やサンロード、駅前太平線などへの歩行者動線をわかりやすく整え、駅を出た瞬間からまちなかへ誘う構成を目指すものとしています。広場や沿道空間の見通しを確保し、店舗や公共施設などへのアクセスが直感的に理解できるよう、案内表示やサイン計画も検討されます。
また、県道43号線の平面横断なども視野に入れ、地下道などに限られている現在の歩行動線も改善されます。階段や迂回をできるだけ減らし、ベビーカーや車いすを利用する人にも移動しやすい環境を整備。子どもから高齢者、障がいのある人、来訪者まで、誰もが安心して歩きやすい駅前を目指すものとしています。


北口では、既存の風紋広場と同等以上の面積を確保し、日常的な歩行者動線とイベント・市民活動を両立できる広場が整備されます。待ち合わせや休憩、交流、催事など、さまざまな目的で人が滞在できる空間を想定しています。
駅からまちなかへの見通しを確保するとともに、隣接する複合施設と一体的に利用できる屋内外が連続した空間を形成するものとしています。施設内の活動と広場でのイベントが相互に広がる構成を目指す計画です。
電源、給排水設備、倉庫などを設け、季節ごとの催事やマーケット、文化活動などにも柔軟に対応できる環境も整備されます。日常の憩いの場であるとともに、鳥取駅を象徴する「まちの顔」となる広場を目指します。


北口広場に隣接して、多世代の交流や市民活動を支える複合施設が建設されます。駅前の立地を生かし、通勤・通学の途中に立ち寄る人、子ども連れ、地域活動に参加する人など、幅広い利用者が自然に集まる施設を目指すものとされています。
子育て支援、青少年活動、市民活動支援、インキュベーション、「本が育む交流」など、複数の機能を組み合わせる構成です。子どもの遊び場や子育て相談、中高生の活動場所、講座・イベント、新たなビジネスやアイデアを生み出す場など、多様なニーズに対応する柔軟な空間を想定しているとのことです。
図書機能を媒介として各機能をつなぎ、本を読むだけでなく、会話や学習、創作活動にも利用できる場所となります。本や情報をきっかけに世代を超えた交流を生み出し、地域の活力や新たな活動の創出につなげる狙いです。


鳥取駅は山陰東部圏域の重要な交通結節点であることから、鉄道とバスを中心に公共交通の乗り換え利便性も高められます。通勤・通学者だけでなく、観光客や高齢者、地域間を移動する人にもわかりやすく、安心して利用できる交通拠点を目指します。
北口ではバスターミナルと交通広場の機能を整理し、一般車、タクシー、バスなどの交通動線が再編されます。車両の進入・退出経路を整理するとともに、歩行者と車両の交錯を減らし、安全性と利便性が高められます。
更に高齢者や障がいのある人にも配慮した、コンパクトでわかりやすいバスターミナルも整備されます。駅からバス乗り場まで雨や雪に濡れにくい動線を確保し、案内サインやデジタルサイネージ、リアルタイムの運行情報などを活用して、鉄道、バス、タクシー、一般車、自転車、徒歩の移動を円滑にする交通拠点を目指すものとされています。


南口では、駅南側の交通機能を整理するとともに、緑や水辺を取り入れた広場空間が整備されます。北口とは異なる性格を持たせ、利用者が目的や気分に応じて過ごし方を選べる、多様な滞在空間が形成されます。
また、親水空間を設け、山白川沿いの遊歩道との連続性を高めます。植栽やベンチ、日陰をつくる設備などを組み合わせ、散歩や読書、子どもとの遊びなど、日常的に自然を感じながら過ごせる環境が整備されます。
北口が「まちへの玄関口」として賑わいを担う一方、南口では市民が日常的に憩い、落ち着いて過ごせる居場所を形成する計画です。南北それぞれの魅力を生かし、両広場を歩いて巡る回遊性を高め、周辺施設や中心市街地への人の流れを促します。


駅前広場は、平常時の賑わいだけでなく、災害時には活動や情報集積の拠点となることから、防災機能の強化も計画に盛り込まれます。災害発生時の一時的な避難や情報提供、救援活動を支えられる空間としての役割を担います。
南口広場では、緑化による雨水浸透やヒートアイランド対策を図るほか、非常用電源、防災備蓄、情報提供設備など、災害時に役立つ設備の導入を検討するものとしています。また、改札から障がい者用乗降場まで連続したバリアフリー動線を確保し、視覚・聴覚障がい者にも配慮した案内設備の整備が進められます。
積雪や塩害など鳥取特有の気候に対応した素材・工法を採用し、冬季の除雪や凍結、雨天時の安全性にも配慮します。長期的な維持管理のしやすさも考慮し、安全で持続的に利用できる駅まち空間を形成するものとされています。

駅まち空間全体の公共整備分については、現時点で約120億円の概算事業費を見込んでいます。北口側が約92億円、南口側が約28億円で、今後の設計や関係機関との協議、物価・資材価格の動向などにより変動する可能性があります。
北口側では、バスターミナル、北口広場、北口交通広場、県道、複合施設の公共整備分などを対象としています。一方、南口側では、南口広場、南口交通広場、南口駐車場などを対象とし、駅南北の公共空間を一体的に整備する計画です。
民間整備を想定する部分については、今後のサウンディング調査などを通じて、導入機能や事業手法、規模などが検討されます。建設コストや維持管理費、運営方法、管理負担、将来更新のあり方も見据え、公共施設との相乗効果や駅周辺の賑わいを支える持続的な整備を目指すものとしています。

鳥取駅は日々多くの人が利用する交通結節点であるため、既存の交通機能を維持しながら段階的に工事を進める考えです。工事期間中も鉄道やバス、タクシー、一般車への影響を抑えるため、仮設動線や工事手順を含めた綿密な計画が必要となります。
整備ステップでは、既存バスターミナルなどを活用しながら、北口交通広場、立体駐車場、北口広場、複合施設、南口交通広場、南口駐車場、南口広場などを順次整備する流れを想定しています。整備時期や順序は、交通機能への影響、事業費、関係機関との協議などを踏まえて調整されます。
今後は、市民政策コメントや市民ワークショップ、関係機関との協議、民間事業者へのサウンディングなどを進め、計画内容を具体化する予定です。スケジュールは今後変更される可能性もありますが、駅とまちなかをつなぎ、市民や来訪者が長く利用できる「未来創造ステーション」の実現を目指すものとされています。
出典:鳥取市 鳥取駅周辺再整備
最終更新日:2026年8月24日