大阪市北区堂島浜で、旧「ANAクラウンプラザホテル大阪」として営業していた「堂島ダイビル」の解体工事が進んでいます。ホテルは2025年10月15日に営業を終了し、2025年11月から「堂島ダイビル・クラブ関西会館地上解体工事」が開始されました。2026年8月現在、堂島ダイビルは足場や防音・防塵シートで建物全体が覆われ始め、解体用のタワークレーンも設置されるなど、工事が本格化しています。長年にわたって堂島川沿いの景観を形づくってきた超高層ホテルが、少しずつ姿を変えています。
一方、隣接するクラブ関西会館では地上躯体の解体がほぼ完了し、建物の姿が姿を消しています。両施設はもともと一体的な計画によって整備された経緯があるため、今回の解体もそれぞれの建物を個別に更新するだけではなく、敷地全体の将来利用を見据えた動きと考えられます。今後は両敷地を一体的に活用した建て替え・再開発が見込まれる、堂島エリアの新たな動きとして注目されています。
堂島ダイビル・クラブ関西会館地上解体工事の概要
1.2025年10月15日にホテル営業終了
1984年に「大阪全日空ホテル・シェラトン」として開業した歴史あるホテル
2025年10月15日をもって約41年間の営業を終了した堂島のランドマーク
2.地上23階・地下3階、高さ約87mの超高層ホテル
敷地面積約4,608㎡、延床面積約4万4,770㎡、客室473室の大規模ホテル
日建設計設計、大林組・大成建設・鴻池組共同企業体施工による超高層ホテル
3.クラブ関西と一体となった共同開発
隣接するクラブ関西会館との共同開発により誕生した堂島ダイビル
空中権・容積率移転を活用した、当時として先進的な都心部開発事例
4.大阪都市景観建築賞を受賞した建築
堂島ダイビルとクラブ関西会館による一体的な街並み形成と景観への貢献
1986年の「大阪都市景観建築賞」第6回特別賞を受賞した実績
5.ダイビルの歴史におけるエポック的建築
ダイビル初の本格的な営業用建物であり、10階を超える超高層建築物への挑戦
空中権設定を初めて活用したプロジェクトとしても重要な位置付け
6.「堂島ダイビル・クラブ関西会館地上解体工事」進行
注文者はダイビル、事業主は鹿島建設、事業期間は2025年11月1日~2028年3月31日
2026年8月現在、足場・シートや解体用タワークレーンが設置される本格解体段階
7.両敷地を一体活用した建て替え・再開発へ
クラブ関西会館では地上躯体の解体がほぼ完了し、堂島ダイビルも解体が進行
今後の両敷地一体での新たな建築計画と堂島エリアの景観変化への期待

堂島ダイビルでは、1984年10月に「大阪全日空ホテル・シェラトン」としてホテルが開業しました。開業当時から堂島エリアを代表する宿泊施設の一つとして機能し、ビジネス客や観光客、地域での会食や宴会など、幅広い用途に利用されてきました。その後、1995年に「大阪全日空ホテル」へ改称し、2008年10月からは「ANAクラウンプラザホテル大阪」として営業を続けてきました。

ホテルは定期建物賃貸借契約の満了に伴い、2025年10月15日をもって営業を終了。約41年間にわたり、堂島川沿いのランドマークとして親しまれてきたホテルが、その歴史に幕を下ろしました。高層階を含む大規模なホテル建築として、周辺のオフィス街や中之島方面からも視認しやすく、堂島の街並みを象徴する存在でもありました。営業終了後は、建物の解体に向けた準備や仮囲いの設置が進められ、現在の本格的な工事へと移行しています。

堂島ダイビルは、大阪市北区堂島浜1丁目に位置する地上23階・地下3階、高さ87m、延床面積約44,770㎡の大型建築です。敷地面積は約4,608㎡で、473室の客室を備えたホテルとして利用されていました。客室に加えて、宴会場やレストラン、ロビーなども設けられ、宿泊機能だけでなく、地域の交流や社交の場としても役割を果たしていました。

建物は鉄骨造を主体とし、一部に鉄骨鉄筋コンクリート造、鉄筋コンクリート造を採用。超高層ホテルとして必要な耐震性や大規模な設備機能を備えた建築物でした。日建設計が設計・監理を担当し、大林組・大成建設・鴻池組共同企業体が施工を手掛けています。完成から長い年月が経過した現在も、堂島の都市景観を構成する主要な建物の一つとして認識されてきましたが、今回の解体によってその姿は大きく変わろうとしています。


堂島ダイビルは、隣接する「クラブ関西会館」との共同開発によって誕生した建築物です。1980年代当時、限られた敷地でホテル側が求める規模を確保するため、クラブ関西の敷地に設定した「空中権」を活用し、容積率を有効利用する計画が採用されました。
ダイビル側は超高層ホテルの建設に必要な床面積を確保でき、クラブ関西側も会館の建て替えを実現できるという、双方にメリットのある開発手法でした。こうした取り組みは、当時の大阪における空中権・容積率移転を活用した代表的な事例の一つとなっています。


堂島ダイビルとクラブ関西会館は、建物単体だけではなく、両施設を一体的に計画することで堂島の街並みや景観形成にも寄与してきました。完成後には、その都市景観への貢献が評価され、1986年に「大阪都市景観建築賞」の第6回特別賞を受賞しています。
また、堂島ダイビルはダイビルにとって初めての本格的な営業用建物であり、初めて10階を超える超高層建築物に取り組んだ建物でもあります。さらに空中権設定という新たな手法を導入したことから、ダイビルの歴史においても大きな意味を持つ建築物となりました。
現地の仮囲いに設置された労災保険関係成立票によると、解体工事の名称は「堂島ダイビル・クラブ関西会館地上解体工事」。注文者はダイビル、事業主は鹿島建設で、事業期間は2025年11月1日から2028年3月31日までとなっています。工事期間は長期にわたる計画となっており、建物本体の解体だけでなく、地下部分や周辺設備の撤去、敷地の整理なども段階的に進められるものとみられます。


2026年8月現在、堂島ダイビルでは外周部を足場や防音・防塵シートが覆い始め、建物内部や外壁の解体に向けた準備が進んでいます。外壁面及び屋上付近には解体用のタワークレーンも設置されるなど、工事は本格的な解体段階へ移行しています。今後、上層階から順に建物の規模が縮小していくことで、周辺から見た景観も徐々に変化していくと考えられます。

隣接するクラブ関西会館では地上躯体の解体がほぼ完了しており、すでに建物の姿はほとんど確認できない状態です。堂島ダイビルについても解体が進めば、両敷地を合わせた広い工事区域が形成されることになります。今後は、両敷地をどのような用途や規模で活用するのか、新たな建築計画や再開発の動向が注目されます。堂島川沿いの景観や周辺の歩行者動線にも影響を与える可能性があり、堂島エリアの将来像を左右する重要なプロジェクトとなりそうです。
最終更新日:2026年9月1日