東京都は2026年9月4日、「新宿駅西口駅前広場デザイン方針」を策定したと発表しました。新宿駅西口では、線路上空に東西をつなぐ歩行者デッキを新設するほか、駅前広場を自動車中心から人中心の空間へ再編し、駅や駅ビルの機能更新と一体となった「新宿グランドターミナル」への再編が進められています。
今回のデザイン方針では、「新宿駅西口駅前広場は、『もっと』人のための広場へ」をコンセプトに、「緑」「光」「人」をキーワードとして、緑豊かで明るく、人々が集い、滞在できる新たな駅前広場の将来像が示されました。大きなシンボルツリーや地下まで光を取り込む「ボイド」、イベントにも対応できる広場空間などを整備し、2035年度の竣工を目指しているとのことです。
新宿駅西口駅前広場デザイン方針の概要
1.「もっと」人のための広場への再編
「新宿駅西口駅前広場は、『もっと』人のための広場へ」をコンセプトとした新たな駅前空間への再編。
自動車中心から歩行者中心へ転換し、人が集い、滞在し、賑わう公共空間の創出。
2.「緑」「光」「人」を軸としたデザイン
新宿中央公園から4号街路、新宿御苑へとつながる「みどりの軸」のかなめとなる駅前広場。
緑豊かな空間、地下まで光が届く明るさ、人々の交流と賑わいを重視したデザイン。
3.広場を象徴する大きなシンボルツリー
世界最大級のターミナルである新宿駅と西新宿の超高層ビル群にふさわしい新たなランドマーク。
緑陰や滞留空間を創出し、人々に温かさや親しみ、愛着を感じさせる広場の象徴。
4.「ボイド」を継承・発展させた立体広場
1966年竣工の西口駅前広場から受け継がれる地下への吹き抜け「ボイド」を活用した空間構成。
地下1階まで自然光を取り込み、地上・地下のつながりと見通しの良さを高める立体的な広場。
5.バス・タクシー再配置と歩行者空間の拡充
道路や乗降場の配置を見直し、地上中央部を歩行者中心の広場へ転換する施設計画。
地下1階・地上1階・地上2階をつなぎ、鉄道・バス・タクシー間の分かりやすい乗り換え環境。
6.イベントにも対応する多目的な交流空間
待ち合わせや休憩、滞留、回遊に加え、マルシェや情報発信などにも活用可能な広場空間。
地上と地下、「ボイド」や階層構造を一体的に活用する多様で立体的なイベント利用。
7.「新宿グランドターミナル」と一体的な再編
東西デッキ、セントラルプラザ、グランドシャフト、スカイコリドーなどと連携する大規模ターミナル再編。
デザイン方針を踏まえた詳細設計と工事の推進、2035年度の駅前広場竣工を目指す将来計画。

新宿駅西口駅前広場では、1966年の整備から約60年が経過するなか、駅利用者の増加や周辺の超高層ビル化、駅施設・駅ビルの老朽化など、広場を取り巻く環境が大きく変化しています。現在はバスやタクシーなど自動車交通を処理する空間が大きな割合を占め、人が滞在できる場所が不足していることも課題となっています。

新たな駅前広場では、こうした構成を見直し、地上・地下の双方で人のための空間を拡充します。デザインコンセプトは「新宿駅西口駅前広場は、『もっと』人のための広場へ」で、「『緑』のかなめとなる駅前広場」「『光』が差し込む明るい駅前広場」「『人』が集い、賑わう、快適な駅前広場」の3つをキーワードに掲げています。
特に「緑」については、新宿中央公園や4号街路から新宿御苑方面へとつながる「みどりの軸」の結節点として、西口駅前広場を「緑のかなめ」と位置付けます。シンボルツリーや植栽によって緑陰を創出し、季節の彩りを感じられる駅前空間を目指します。


新しい西口駅前広場の大きな特徴となるのが、広場中央に配置される大きなシンボルツリーです。世界一の乗降客数を誇る新宿駅と、西新宿の超高層ビル群が形成する大きなスケール感にふさわしい象徴として、温かさや親しみ、愛着を感じられる存在として計画されています。
また、現在の西口駅前広場の特徴でもある地下への吹き抜け「ボイド」を継承・発展させます。ボイドによって地下1階まで光を取り込み、地上と地下のつながりや空間の広がりを演出するとともに、周辺の建物や上下動線を把握しやすくすることで、複雑な新宿駅周辺での移動を分かりやすくします。
さらに、シンボルツリーの近くには地上と地下を結ぶ上下動線や滞留空間を設け、シンボルツリーを中心に人が回遊できる立体的な動線を形成するものとしています。広場には可動式ベンチや植栽なども配置し、待ち合わせや休憩、日常的な滞留からイベントまで、多様な使い方ができる空間が目指されています。


施設計画では、道路と歩行者空間の配置を見直し、これまでの自動車交通中心の駅前広場から、歩行者が安全かつ快適に移動・滞留できる空間へと再編します。バスやタクシーの乗降場を再配置し、地上部の中央に歩行者中心の広場を設けるほか、地下の歩行者空間も拡張します。


新たな西口駅前広場は、地上1階・地下1階・地上2階の立体的な構成となります。地上1階にはバス・タクシー乗り場、地下1階には4号街路や東西自由通路との接続、地上2階には新設される東西デッキとの接続を設け、それぞれの階層を分かりやすくつなぐものとしています。
さらに、「ボイド」を活用した見通しの良い地下広場を整備し、地下からも周辺のビルや地上空間を認識しやすくします。広い歩行者空間はマルシェなどのイベントにも活用でき、地上と地下を一体的に使用したイベント開催など、立体的で多様な利活用も想定されています。


今回の西口駅前広場の再編は、単独の駅前広場整備ではなく、新宿駅周辺全体を「新宿グランドターミナル」へと再編する取り組みの一環です。東西デッキ、セントラルプラザ、グランドシャフト、スカイコリドーなどの整備と駅前広場の再編を一体的に進め、駅・駅前広場・駅ビル・周辺市街地が有機的につながる次世代型ターミナルを目指すものとされています。

新設される東西デッキは線路上空を通って新宿駅の東口と西口をつなぎ、その中央にはグランドターミナルのシンボルとなる「セントラルプラザ」を整備する計画です。西口では、駅前広場から東西デッキやスカイコリドーへつながる立体的な歩行者ネットワークを形成し、新宿駅東西の回遊性を高めます。
今後は今回のデザイン方針を踏まえ、構造物や舗装、植栽の樹種などの具体的な設計を進め、関係機関との協議を行いながら工事を順次進める予定です。新宿駅西口駅前広場は2035年度の竣工を目指しており、2040年代には緑・光・人が融合した新たな駅前空間が実現するイメージが示されています。
出典∶東京都 新宿駅西口駅前広場デザイン方針を策定しました~『もっと』人のための広場へ生まれ変わります!~
最終更新日:2026年9月5日