都市開発ニュース
大井町駅西口の約1.4haを活力創造ゾーンとして再開発する「大井町駅西口E地区」!!商業・業務・住宅が集積する複合拠点の形成を目指す!!
銀座に誕生する地上12階、高さ42m、客室数130室の木造ハイブリッドホテル「(仮称)木挽ビルホテル計画」!!木柱・木梁やCLT耐震壁、木ブレースを採用して2029年10月開業予定!!
TX三郷中央駅の駅高架下やにおどり公園の活用でにぎわい創出する「三郷中央駅周辺にぎわい創出ビジョン」!!駅前広場改修工事が進むほか、歩行者空間の拡充やカフェ・飲食店の誘致なども!!
中銀カプセルタワービル跡地で建設が進む地上12階、全145室のホテル「プルマン東京銀座」!!メタボリズム建築から銀座エリアのプレミアムホテルへ生まれ変わる!!
銀座四丁目交差点に建っていた円筒形ガラス張りビル・三愛ドリームセンター建て替える「(仮称) GF計画」!!リコーによる地上11階、高さ49.24mの新ビルを建設へ!!
国土交通大臣が軌道運送高度化実施計画を認定した「宇都宮LRT西側延伸」!!宇都宮駅~教育会館前付近約4.9kmを延伸、2036年3月開業目指す!!
愛知県常滑市・中部国際空港島約50haの区域で進む統合型リゾート(IR)計画「中部国際空港島特定複合観光施設設置運営事業」!!民間事業者から参加表明書の提出で事業者選定へ!!
商業ゾーン27店舗を刷新し、「UDX DINING&SHOP」が誕生する「秋葉原UDX」!!2026年12月10日リニューアルオープン!!
地区計画図が公表されたTXみらい平駅近く約19.1haで戸建住宅街を形成する「みらい平東土地区画整理事業」!!スーパーマーケット誘致や2027年4月の造成工事着手を予定!!
関西空港対岸・りんくうタウンの約2haのSICC計画跡地を再売却する「りんくう中央公園グラウンド跡地」!!高さ150mの超高層複合施設も可能な大規模開発用地!!
狭山丘陵の森・水・空を感じる7駅の駅舎デザイン案を公表した「多摩都市モノレール延伸事業」!!上北台~箱根ケ崎間約7.1kmに新駅7駅を整備へ!!
松江駅前の駅前広場・交通機能を再編する「松江駅前再開発」!!一畑百貨店跡地・松江テルサも含めた松江駅前の大規模なまちづくり!!
JR高槻駅南口のグリーンプラザたかつき・松坂屋高槻店など約3.3haの駅前一帯が再開発促進地区に指定された「JR高槻駅南地区市街地再開発事業」!!ホテル・コンベンション・業務機能などを導入検討!!
横浜駅西口大改造により、2026年9月30日に閉館した「相鉄ムービル」!!跡地を含む3施設一体開発を検討、2040年代を見据えた「Well-Crossing」のまちづくり!!
埼玉県東部の公共交通空白地域を解消する「東埼玉道路沿線地域BRT構想」!!越谷レイクタウンや松伏町、八潮市北部を結ぶ自動運転BRT!!
遂に都市計画決定された「ライトライン(芳賀・宇都宮LRT) JR宇都宮駅西側延伸」!!JR宇都宮駅〜東武宇都宮駅前〜教育会館前を結ぶ約4.9kmに12停留場を整備へ!!
東武スカイツリーライン北春日部駅西側約40.5haで約1,000戸・約3,000人規模の新たな戸建住宅街を形成する「北春日部駅周辺地区土地区画整理事業」!!かえで通り沿いにショッピングモールや商業・生活利便施設を誘致へ!!
遂に本格始動した松江の大橋川水辺空間を整備する「大橋川周辺白潟地区 水辺空間まちづくり」!!大橋川改修と水辺空間整備で歴史ある白潟地区を再生へ!!
佐賀県との二者合意で議論が大きく前進した「西九州新幹線延伸」!!環境影響評価を2027年度着手、長崎~新大阪約3時間15分の全線フル規格実現を目指す!!
大阪市が基本計画策定を進める西日本最大の展示場「インテックス大阪 4号館・5号館建て替え計画・全館リニューアル」!!世界水準のMICE拠点を目指す大規模整備!!

住宅地地価上昇率驚異の全国5位・関東1位!!TXみどりの駅周辺で進む「萱丸一体型特定土地区画整理事業」!!郊外住宅地は周辺部へも広がり街並みも徐々に完成へ!!

茨城県つくば市南西部で実施された「萱丸一体型特定土地区画整理事業(愛称:つくばみどりの里)」は、つくばエクスプレス(TX)の開業に合わせて整備された大規模都市基盤整備事業です。筑波研究学園都市の南の玄関口にあたるみどりの地区を対象に、住宅、商業、公園、交通、公共施設を一体的に整備し、農村地域から都市空間への転換を果たしました。

本事業は、鉄道建設と市街地開発を同時に進める「一体型土地区画整理事業」として計画され、UR都市機構(旧・住宅・都市整備公団)とつくば市が連携して進行しました。結果として、都市機能と自然環境が調和した持続可能なまちづくりが実現し、TX沿線の発展を象徴するエリアの一つとなっています。

現在のみどりの駅周辺は、住宅地としての人気が高く、つくば市内でも特に地価上昇が著しい地域として注目されています。国土交通省が公表した令和7年都道府県地価調査において、萱丸一体型特定土地区画整理事業区域内に位置するつくば市みどりの東は住宅地として前年比19.6%上昇を記録し、全国順位で第5位、関東地方では第1位となりました。ちなみに萱丸は「かやまる」と読みます。

→国土交通省 令和7年都道府県地価調査 変動率上位順位表(全国)
→独立行政法人都市再生機構 萱丸一体型特定土地区画整理事業

萱丸一体型特定土地区画整理事業の概要

1. 事業の位置と背景
つくば市南西部・みどりの駅周辺を対象とした都市基盤整備事業。
農地から都市空間への転換を目的とした開発計画。

2. 事業の主体と目的
UR都市機構とつくば市が連携して推進した一体型区画整理事業。
鉄道整備と市街地形成を同時に進める総合的まちづくり。

3. 開発の規模と構成
施行面積約292.7ヘクタール、計画人口約2万1千人の大規模プロジェクト。
住宅・商業・公共施設・公園を体系的に配置した都市構成。

4. 一体型事業の特徴
鉄道建設と宅地整備を一体化した全国初期のモデル事例。
効率的で持続可能なまちづくりを実現した先導的取り組み。

5. みどりの駅と都市拠点形成
つくばエクスプレス開業と同時に誕生した新たな交通拠点。
通勤利便性と居住環境を両立させた南部都市拠点。

6. 環境と防災への配慮
河川改修や調整池整備による防災性向上。
緑地・公園のネットワークによる環境共生型都市空間。

7. 現在の評価と展望
住宅需要と地価が上昇する人気エリアとしての定着。
教育・交通・商業が連携する持続的都市拠点の形成。


*TXみどりの駅前の様子。スーパーマーケットやマンションが建ち並ぶ

本事業は、つくばエクスプレスみどりの駅を中心とする萱丸・谷田部・高野地区を対象としています。常磐新線(TXの前身)構想が生まれた1970年代から、沿線の都市形成と鉄道整備の一体化が課題とされてきました。筑波研究学園都市の整備が進む中で、南部地域の住宅供給拠点としての開発が求められ、つくば市は1980年代後半より基礎的な調査・検討を開始しました。

当時の萱丸地区は農地が多く、集落も点在していましたが、首都圏との交通アクセス向上により、将来的な住宅需要の増加が見込まれていました。こうした背景を受け、鉄道開業と同時にまちびらきを行う計画が打ち出され、つくば市南部の都市開発が本格化しました。

出典:独立行政法人都市再生機構

萱丸一体型特定土地区画整理事業の施行面積は約292.7ヘクタール、計画人口はおよそ2万1千人です。事業主体はUR都市機構で、つくば市が都市計画面から全面的に協力しました。事業期間はおおむね2000年代前半から2010年代前半にかけて実施され、みどりの駅の整備と並行して宅地造成・インフラ整備が進められました。

土地利用計画では、駅を中心とした商業・業務エリア、住宅ゾーン、公共施設、公園・緑地、河川・調整池などが体系的に配置されています。とりわけ、みどりの駅前には広い交通広場が設けられ、鉄道利用者の利便性と安全性を高める設計がなされました。

*2023年度にTXみどりの駅の乗降客数は遂に1万人を超えた
*駅東側の様子。商業業務地区に指定されているが、まだ空き地や駐車場も点在している

この事業は、鉄道とまちづくりを同時に進める「一体型」手法の先駆けとして注目されました。鉄道整備促進法(宅鉄法)に基づく仕組みにより、鉄道建設費と市街地整備費を総合的に運用できる体制を整えたことで、効率的で無駄のない開発が可能となりました。

鉄道駅と周辺開発を一体的に整備することにより、駅勢圏の土地利用が最適化され、住宅・商業・交通のバランスが取れた都市構造が形成されました。こうした取り組みは、その後のTX沿線開発(守谷・研究学園など)にも波及し、全国の都市開発におけるモデルケースとなっています。

*駅前では香川県高松市のデベロッパー「穴吹興産」による地上15階建てのマンション計画「(仮称)アルファステイツつくばみどりの」が進められている
*駅前にはスーパーマーケット「カスミ みどりの駅前店」も立地する

事業初期には、開発範囲や換地方式をめぐって地権者との意見調整が続きましたが、つくば市とURは説明会や個別協議を重ね、段階的に合意形成を進めました。最終的には三者合意に基づき、事業方式の変更や区域縮小を行うなど、柔軟な対応を取りながら本格着手に至りました。

また、事業の進行にあたっては、住民の生活環境を維持しつつ工事を進める工夫も行われ、地元と行政・事業者が協働する「協働型まちづくり」の先例ともなりました。

*駅北側のみどりの二丁目では、地上8階、総戸数93戸の「ウエリスつくばみどりの」が竣工した

2005年8月、つくばエクスプレスが開業し、同時にURによる7地区の「まちびらき」が行われました。みどりの地区では駅前整備が完了し、商業施設や住宅販売が本格化。駅前にはスーパーマーケットのカスミ、ドラッグストアのウェルシア、筑波銀行の支店などが開業し、生活利便性が飛躍的に高まりました。

また、TXにより秋葉原まで最短45分でアクセスできるようになったことで、通勤・通学需要が急増。人口は開業後数年で倍増し、つくば市の南部拠点として急速な発展を遂げました。

*小中一貫教育校のつくば市立学園の森義務教育学校
*つくば市立学園の森義務教育学校の南側に位置するみどりの中央公園の様子

学園の森地区にある「つくば市立学園の森義務教育学校」は、つくば市が進める小中一貫教育のモデル校の一つで、2018年4月に開校しました。春日学園義務教育学校の学区の一部を分離して新設され、敷地面積は約5.1ヘクタール、延床面積は約1万4,500平方メートルに及ぶ大規模校です。学区は学園の森や研究学園などを含み、人口増加に伴い児童・生徒数が増加しています。2023年4月には児童数の急増を受け、研究学園小・中学校が分離開校しました。

同校は1人1台端末を活用するGIGAスクール構想を早くから実現し、「リーディングDXスクール事業」にも指定。ICTやAIを取り入れ、個別最適化された学びと協働的学習を進めています。教育理念は「2040年の世界を変えるチェンジメーカーを育てる」で、「Well-beingな学び」を重視し、地域と連携して次世代教育の拠点となっています。

*ここ数年で一気に戸建て住宅地が広がり、新興住宅街が形成された
*駅西側のショッピングセンター「ライフガーデンみどりの」

都市基盤の整備においては、道路・上下水道・電気・通信・ガスの整備が一体的に行われ、機能的で安全な街区構成が実現しました。街路は歩行者の安全を優先し、通学路や公園と連続する歩道空間を確保。防犯灯や電線地中化なども進められ、美観と安全性が両立しています。

また、地区内には生活道路から幹線道路までが階層的に整備され、車・自転車・歩行者の動線が整理されています。こうした丁寧な設計は、今後の都市型住宅地の参考としても高く評価されています。

*里山の風景を取り入れた緑豊かなまちづくりが特徴となっている

みどりの地区の特徴の一つが、豊かな緑地空間の配置です。「7つの森」構想のもと、大小の公園や緑道が各街区に設けられ、四季を感じられる都市景観を形成しました。
駅前広場は芝生広場や植栽帯を組み合わせた開放的なデザインとなっており、地域イベントや市民活動の拠点として活用されています。つくば市特有の「科学と自然の調和」を意識した景観設計が随所に見られ、住民が誇りを持てる街並みづくりが進められました。

*みどりの東の新都市中央通り線沿道には産業系区画も存在する

新都市中央通り線の整備に伴い、常磐自動車道を跨ぐ「みどりの橋」が建設されました。これにより、みどりの駅から県道へのアクセスが大幅に改善され、地域内外の移動がスムーズになりました。
この橋は地域のシンボル的存在であり、周辺の景観にも配慮したデザインが採用されています。広域的には取手市や守谷市方面へのアクセスが強化され、交通の結節点としてみどりの地区の利便性を高めています。

*みどりの東エリアの戸建て住宅街の中心に位置するみどりの東近隣公園の様子
*高台に位置する飯田見晴らし公園の様子

駅周辺には戸建住宅、マンションが次々と建設され、特に子育て世代を中心に人口が増加しました。商業施設ではスーパーマーケットのカスミ、ドラッグストアのウェルシア、筑波銀行や郵便局などの生活関連施設が立地。近年では飲食店やフィットネス施設、医療モールなども増加しています。
また、鹿島アントラーズが運営するトレーニング施設の進出も話題を呼び、スポーツを通じた地域交流も盛んです。こうした多様な機能の集積が、みどりの地区を単なる住宅地にとどまらない「複合型コミュニティ」へと発展させています。

*北側に隣接する島名・福田坪一体型特定土地区画整理事業区域と造成地が繋がり、連続した市街地が形成されつつある

事業区域内を流れる西谷田川や高岡川は、かつて氾濫のリスクが高い河川でした。区画整理と並行して河川改修が実施され、治水能力が大幅に向上しました。当初は暫定的に調整池が設けられましたが、改修完了後には撤去され、より自然と調和した水辺空間へと再整備されています。
また、地下貯留施設や雨水幹線の整備により、近年多発する集中豪雨にも対応できる防災インフラが整いました。こうした取り組みは、みどりの地区全体の安全性と信頼性を高める重要な要素となっています。

*2012年8月撮影の萱丸一体型特定土地区画整理事業区域内の様子。未開発地にアパートが1棟だけ建設されていた
*昨今では都内で1億円超えが当たり前の超高層マンションも、みどりのでは新築時は1,900万円台から存在した

事業区域内に残る片田集落については、歴史ある地域コミュニティを尊重し、存置整備の方針が採られました。地元住民による「まちづくり研究会」が設立され、意見交換を重ねながら、既存の生活動線や景観を保つ工夫がなされました。

*2012年8月撮影の萱丸一体型特定土地区画整理事業区域内(みどりの中央〜みどりの南付近)の様子。TX開業直後は雑木林や荒地、農地が広がっていた

工事中も通行確保や騒音対策などが行われ、住民と開発側の信頼関係のもとで事業が進められました。結果として、新旧のまちが共存する地域づくりが実現し、調和の取れた街並みが形成されています。

*TX建設途中の頃に駅前の造成から開始された
*TX開業直後は駅前のスーパーやマンション以外、まだ未開の地であった
*2018年頃から周辺の造成も進み、道路網も徐々に出来上がってきた
*2025年現在。周辺にも戸建て住宅や商業施設が並び、空き地が埋まりつつある

TX沿線の地価は開業以降上昇を続けていますが、特にみどりの地区は近年、研究学園地区と並ぶ人気エリアとなっています。子育て世帯の移住や住宅需要の拡大により、住宅価格も上昇傾向にあります。

今後は、周辺の学園の森地区や研究学園地区との連携強化により、商業・教育・医療などの都市機能を補完し合う形で発展が進む見込みです。緑豊かな環境と利便性を兼ね備えたみどりの地区は、つくば市全体の都市構造を支える重要な拠点として、さらなる注目を集めています。

過去の記事→2019年2月23日投稿 萱丸一体型特定土地区画整理事業

最終更新日:2025年10月25日

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