静岡市は2026年2月、「新清水庁舎建設基本計画」を策定しました。本計画は、2017年度の「新清水庁舎建設基本構想」および2022年度の「清水庁舎整備の方向(改修)」を廃止し、新たに定めるものです。2025年度に示された整備方針を基礎に、パブリックコメントや市民説明会、来庁者アンケート、民間事業者ヒアリングの結果を踏まえ、庁舎の規模・機能・事業手法を総合的に整理されています。
新庁舎はJR清水駅東口公園(清水区袖師町)に整備し、西口には立体駐車場を新設します。駅直結の立地を生かし、民間機能との複合による公民連携(PPP)手法を導入。平常時はワンストップ型の次世代庁舎として市民サービスを高度化し、災害時は津波緊急避難場所や復旧支援拠点として機能する防災拠点を目指しているとのことです。行政部分の延床面積は約12,500㎡を想定し、民間機能を含めた複合施設全体では最大約39,000㎡規模を見込みます。概算事業費は約159.8億円、市の実質負担額は約81.2億円(65年使用想定で年平均約1.25億円)と試算されています。
新清水庁舎建設基本計画の概要
1.計画策定の背景と位置付け
静岡市が2017年基本構想および2022年改修方針を廃止し、新たに策定した新清水庁舎建設基本計画。
2025年度整備方針を基礎に市民意見や民間ヒアリングを反映した総合的な上位計画。
2.建設地と立地特性
建設地はJR清水駅東口公園(清水区袖師町)、敷地面積約5,319㎡の商業地域。
容積率最大750%緩和を視野に入れた駅直結型高度利用地という特性。
3.次世代型ワンストップ庁舎の実現
電子申請拡充、窓口WEB予約、分かりやすい動線計画による利便性向上型庁舎。
区役所機能を中心に本庁機能の一部を集約する行政サービス拠点の形成。
4.公民連携(PPP)による複合開発
市有地を活用し定期借地権方式とDB方式を採用する民間・行政合築事業。
最大約39,000㎡規模を想定した都市機能集積型複合施設の整備。
5.津波対策と都市安全確保拠点機能
地盤嵩上げとピロティ構造、構造体Ⅰ類による高水準耐震・耐津波性能。
最大約13,000人退避可能な緊急避難場所兼復旧支援拠点としての機能確保。
6.環境配慮とZEB化方針
行政部分約12,500㎡を対象に「ZEB Ready」以上を目指す省エネ庁舎。
2050年カーボンニュートラル実現に向けた環境負荷低減型公共建築の推進。
7.事業費と整備スケジュール
概算事業費約159.8億円、市実質負担額約81.2億円(65年想定)。
2026年度事業者選定、2031年度供用開始を目標とする段階的整備計画。

新清水庁舎建設基本計画は、清水都心地区のまちづくり方針に基づき、公共機能を交通結節点であるJR清水駅周辺へ集約する考え方を具体化するものです。建設地は清水駅東口公園(敷地面積約5,319㎡、商業地域、建蔽率80%・容積率500%)。地区計画により容積率を最大750%まで緩和することも検討されています。
東西南側を幅員17~28mの市道に囲まれた高いアクセス性を有する立地であり、「みなとまち清水」の玄関口にふさわしい高度利用が期待されています。西口側には約4,000㎡規模・約110台収容想定の立体駐車場を整備し、既存東口駐車場と合わせて約160台+αを確保する計画です。


新庁舎は、JR清水駅東口に直結する民間・行政複合ビルとして整備される計画です。駅と一体となった立地特性を生かし、市民が日常の延長線上で立ち寄ることができる利便性の高い庁舎を目指します。整備にあたってはデジタル技術を積極的に活用し、「やさしく・早く・わかりやすい」行政サービスの実現を基本理念に掲げています。

オンライン手続きの拡充により“来なくてもよい”環境を整えるとともに、分かりやすいレイアウトや明快な動線計画によって“迷わない”空間を形成するものとされています。さらに、窓口のWEB予約や待ち時間表示の導入で“待たせない”仕組みを構築し、専門性の高い相談にも対応できる体制を整えます。配置は区役所機能を中心に、市税や福祉、子育て、高齢者支援などの窓口を集約し、ワンストップサービスを実現します。あわせて、経済局や教育委員会事務局の一部本庁機能も配置し、地域拠点としての総合的な行政機能を担います。
想定される職員数は約650人で、必要面積は算定基準に基づき約12,000㎡とされています。これに式典対応機能約500㎡を加え、行政部分としては合計約12,500㎡を計画しており、将来的な行政需要にも柔軟に対応できる規模と機能を備えた次世代型庁舎として整備が進められます。

建設地が駅直結の一等地であることから、庁舎単独ではなく民間機能との合築によるPPP手法を採用します。市が土地を所有し、定期借地権を設定。民間事業者が設計・施工を一体化したDB方式で整備し、完成後は行政部分を市が取得、民間部分は事業者が所有・運営します。
民間機能としては、商業施設、スーパー、飲食、物産店、オフィス、産業支援施設、医療福祉サービス、宿泊施設などが想定され、容積率緩和を活用した最大約39,000㎡規模の複合施設を目指す計画です。土地賃借料や固定資産税収入を見込むことで、市の財政負担軽減にもつなげる考えとされています。


JR清水駅東口周辺ではレベル2津波に対する緊急避難場所が不足していることから、新庁舎は堅牢な構造体Ⅰ類を採用し、防災拠点として整備されます。地盤を約60cm嵩上げし、ピロティ形式を採用。機械室や災害対策室は浸水深以上に配置し、地下フロアは設けません。
東口庁舎・西口駐車場・JR清水駅をペデストリアンデッキで連結し、最大約13,000人(庁舎約8,000人、西口駐車場約3,000人、デッキ約2,000人)の退避が可能と試算。同地区想定最大避難者数約4,500人を上回る受入能力を確保します。
また、ENEOS地域づくりエリアの次世代型エネルギー供給網を活用し、停電リスクを最小化。大津波警報が最長3日継続する場合でも避難者受入れを継続し、警報解除後は復旧支援拠点として機能します。

概算事業費は約159.8億円(庁舎新築137.5億円、設計監理6.9億円、追加整備15.4億円)。国の補助制度や防災事業債の活用、民間合築による収入を踏まえ、市の実質負担額は約81.2億円と試算されています。
スケジュールは、2025年度に基本計画、2026年度に事業者選定(約10か月)、その後設計・施工約48か月を経て、2031年度の供用開始を目標とします。
2050年カーボンニュートラルに向け、行政部分は「ZEB Ready」以上を目指し、環境配慮型庁舎として整備。防災・環境・都市活性化を同時に実現する拠点として、清水都心地区の再編を先導するプロジェクトとなります。
出典・引用元
・静岡市 新清水庁舎
・静岡市 2025年度 新清水庁舎建設基本計画
最終更新日:2026年2月26日