2024年12月17日、神戸市は新港突堤西地区の水域と緑地を活用した新たなマリーナ整備・運営事業において、優先交渉権者を正式に決定したと発表しました。この事業は、神戸港の再開発を進める重要なプロジェクトの一環であり、日本で初めてスーパーヨットと呼ばれる大型艇に特化したマリーナを設けるものです。これにより、神戸の都市ブランド価値を一層高めるとともに、新たな賑わいを生み出すことが期待されています。
今回の公募には2つの事業者連合が参加し、その提案内容は慎重に審査されました。結果、学識経験者を含む選考委員会の評価に基づき、「株式会社ジーライオン」を代表企業とする6社から成る企業連合体が、優れた事業計画と実現可能性を示したことで優先交渉権を得ました。同連合体の提案は、神戸港を玄関口として「せとうちエリア」全体に広がる観光・経済ネットワークの拡大を視野に入れた構想であり、地域経済の活性化に大きく寄与すると評価されています。
→神戸市 神戸港・新港突堤西地区マリーナ等の整備・運営事業 優先交渉権者の決定
計画の概要
- 事業概要
神戸港・新港突堤西地区で、スーパーヨット(大型艇)を中心としたマリーナの整備・運営を通じ、都市ブランドの向上や賑わい創出を目指すプロジェクト。公募を経て、企業連合体が優先交渉権者として選定された。 - 選定された企業連合体
代表企業の株式会社ジーライオンを中心に、マリーナ運営やレストラン飲食、海外ネットワーク、瀬戸内エリア連携を担う計7社で構成。スーパーヨット誘致や瀬戸内ネットワーク構築を進める。 - 公募対象区域の特徴
神戸市中央区新港町100番地先、約6.4haの敷地(事業用水域:約5.4ha、事業用地:約1.0ha)で、水域と周辺緑地を一体的に活用した計画が進められる。 - 選定理由
提案内容が日本初のスーパーヨット専用マリーナとして、神戸の都市価値向上や地域経済活性化に寄与する内容で評価され、100点満点中69.0点を獲得。他の提案者(64.8点)を上回った。 - 提案内容の主な特徴
・オーナーバース約20艇、ビジターバース約10艇を設置。
・緑地空間にクラブハウスやレストランを配置。
・瀬戸内クルージング・ネットワーク構築や国際ボートショー、船上ブライダルなどのイベントを企画。 - 事業スケジュール
2025~2026年に設計・工事を行い、部分開業。2027年春に正式開業を予定している。事業期間は30年間。 - 期待される効果
ウォーターフロントの新たな魅力を創出し、市民や国内外の来訪者を惹きつける拠点となる。また、周辺施設や神戸空港との連携を強化し、地域経済や観光振興に大きく貢献することが期待されている。
企業連合体が提案したマリーナ計画は、特にスーパーヨットに特化した施設であることが特徴です。オーナー専用のバース(75~130フィート)が約20艇分、ビジター用バース(75~200フィート)が約10艇分設けられる予定で、国内外からのスーパーヨットを受け入れる態勢が整えられます。また、このマリーナには広々とした緑地空間が併設され、クラブハウスやレストランが配置される計画です。これらの施設はヨットを背景にした開放感あふれる設計となっており、訪れる人々に非日常の体験を提供するとともに、神戸の新たなランドマークとして注目を集めることでしょう。
さらに、このマリーナは「せとうちクルージング・ネットワーク」の拠点としても位置付けられています。瀬戸内海エリアを結ぶ観光振興の旗艦拠点として、国際ボートショーの開催やシーカヤック・SUPなどのアクティビティ、船上ブライダルや音楽イベントなど、多彩なプログラムを展開することが計画されています。このような取り組みにより、国内外からの観光客やヨットオーナーを惹きつけ、神戸港の魅力をさらに高めることが期待されています。
選定されたエリアは、神戸市中央区新港町100番地先に位置し、約6.4ヘクタールの広大な敷地を有しています。このうち約5.4ヘクタールが水域、約1.0ヘクタールが事業用地として利用されます。この区域は、神戸港の水辺環境と緑地が一体となり、訪れる人々に都市と自然が調和した魅力的な空間を提供する場として期待されています。
事業の開始は2025年を予定しており、設計・工事を経て2027年春の開業を目指しています。この30年にわたるプロジェクトを通じて、神戸港は世界的にも注目されるウォーターフロントエリアへと進化し、地域社会や経済に貢献していくことを目指します。
GLION ARENA KOBE(ジーライオンアリーナ神戸)
神戸港・新港突堤西地区のマリーナ整備・運営事業の対象区域に隣接するアリーナ「GLION ARENA KOBE(ジーライオンアリーナ神戸)」は、神戸市中央区新港突堤西地区(第2突堤)に建設中の多目的アリーナで、2025年4月に開業予定です。この施設は「270度海に囲まれた日本初のアリーナ」として設計されており、神戸港のウォーターフロントを象徴する存在となります。外観デザインは翼を広げた形状で、神戸から世界へ感動を発信するコンセプトを反映しています。
アリーナは約1万人を収容可能で、最新の音響・映像設備を備えた馬蹄型座席配置により、スポーツやコンサート、eスポーツなど多彩なイベントが開催される予定です。B.LEAGUE所属の「神戸ストークス」の新たな本拠地としても利用され、年間30試合以上のホームゲームが行われます。また、アリーナ名称は地元企業GLIONグループとの契約により「GLION ARENA KOBE」と決定しました。
さらに、アリーナ周辺には「TOTTEI PARK」と呼ばれる緑化されたシンボリックな公園が整備されます。この公園ではイベントやレストラン運営が予定され、神戸の美しい港と六甲山を眺望できる屋外空間が提供されます。TOTTEI PARKは2025年4月に一部先行オープンし、地域活性化や観光振興の新たな拠点となる見込みです。
アリーナ全体のプロジェクトは、地域との連携やスマートシティへの取り組みも重視しており、専用アプリを活用したチケット購入やデジタル決済などのスマートサービスが展開される予定です。また、地元大学や企業との協働を通じて地域課題解決や活性化も目指しています。このアリーナは、神戸の新たなランドマークとなり、スポーツや文化イベントを通じて国内外からの注目を集めることが期待されています。
今回の発表を受けて、神戸市は事業の持続性と発展性を確保するために、関係者との連携を強化しながら取り組みを進めていく方針です。このプロジェクトが地域の活性化に果たす役割に、ますます注目が集まることでしょう。
最終更新日:2024年12月19日