東急電鉄は2025年4月4日、国土交通省より「新空港線(蒲蒲線)」整備に向けた営業構想の認定を受けました。本構想では、東急多摩川線の矢口渡駅〜蒲田駅間の地下化と、蒲田駅〜京急蒲田駅付近を結ぶ約0.8kmの新設連絡線「新空港線」の整備を計画。これにより、東急多摩川線と新空港線の直通運転が実現し、一部列車は東急東横線への乗り入れも想定されています。羽田空港と渋谷・新宿・池袋方面を直結する新たな鉄道ネットワークが形成され、地域の利便性向上と国際競争力強化が期待されます。
→東急電鉄株式会社 国土交通省から新空港線整備に向けた営業構想の認定を受けました
→大田区 新空港線(蒲蒲線)整備促進事業
東急新空港線(蒲蒲線)の概要
- 国の認定取得
2025年4月4日、東急電鉄は新空港線整備に向けた営業構想について、国土交通省から認定を受けた。 - 計画の主な内容
東急多摩川線・矢口渡駅〜蒲田駅間の地下化と、蒲田駅〜京急蒲田駅付近を結ぶ約0.8kmの新設連絡線(新空港線)の整備を計画。 - 直通運転の実施
整備後は東急多摩川線と新空港線の直通運転を実施し、一部列車は多摩川駅から東急東横線にも乗り入れる予定。 - 羽田アクセスの改善
渋谷・新宿・池袋方面と羽田空港を直結するルートが新たに確立され、都市間・空港アクセスが大幅に向上。 - 運行本数と速達効果
朝ピーク時に20本/時の運行を予定。自由が丘~京急蒲田間の所要時間は現行の約37分から約15分へ短縮予定。 - 地域整備とまちづくり
地下化による地上空間の有効活用や安全性向上に加え、蒲田・京急蒲田周辺の都市開発や賑わい創出にも寄与。 - 長年の取り組みの集大成
1987年の大田区調査開始から始まり、官民連携で推進されてきた計画が、構想認定を経て次のステップへ進展。

本計画の中核をなすのは、東急多摩川線・矢口渡駅〜蒲田駅間の地下化と、蒲田駅〜京急蒲田駅付近を接続する新空港線(約0.8km)の新設です。この新線により、両駅間の「徒歩移動」が鉄道で置き換えられ、雨天や猛暑時も快適な移動が可能になります。さらに、多摩川駅から東急東横線に直通する列車の運行も予定されており、渋谷・新宿方面とのアクセスが大幅に改善されます。運行本数は朝のピーク時で1時間あたり20本、その他時間帯で10本程度が見込まれています。

新空港線の整備は、羽田空港と東京都北西部・埼玉南西部を結ぶ広域鉄道ネットワークの要として位置づけられています。交通政策審議会答申第198号(2016年)においても、国際競争力強化を図る重要プロジェクトとされており、特に中目黒駅から京急蒲田駅までの移動時間が約13分短縮(36分→23分)、自由が丘駅からは約22分短縮(37分→15分)される見込みです。これにより、羽田空港へのアクセス利便性が大幅に向上します。



今回の整備は単なる鉄道インフラの整備にとどまらず、地域の街づくりにも大きく貢献します。地下化によって地上空間の有効活用や景観の改善、安全性の向上が図られるほか、災害時の代替ルート確保や環境負荷の軽減といった観点からも重要なプロジェクトです。1987年に大田区が調査を開始して以来、官民の連携によって着実に進められてきた本計画は、今後も地域住民や関係機関との協力を重ねながら、大田区の未来を支えるインフラとして整備が進められていきます。
→「東急新空港線(蒲蒲線)」整備に向けた営業構想の認定を国土交通省へ申請へ!!
最終更新日:2025年4月7日