東京から名古屋を経由して将来的に大阪までを結ぶ次世代型高速鉄道「リニア中央新幹線」のうち、品川~名古屋間の整備に伴い、名古屋駅では既存の名古屋駅周辺の地下に新たなリニア中央新幹線の駅を建設する「中央新幹線名古屋駅新設工事」が進められています。名古屋駅は東海道新幹線、JR在来線、名鉄、近鉄、地下鉄などが集まる中部圏最大級のターミナルであり、リニア開業によって東京・大阪方面との高速アクセスがさらに強化される重要な交通拠点となります。
駅施設は東西約900m、最大幅約60m、深さ約30mにも及び、2面4線の大規模な地下駅として整備される計画です。工事では駅本体の建設だけでなく、既存建築物の解体、地下鉄施設の再構築、上下水道などの地下インフラ移設、道路・駅前広場の再編なども並行して進められており、名古屋駅周辺の都市構造そのものを大きく変える一大プロジェクトとなっています。さらに、駅東西の駅前空間や歩行者ネットワーク、駅上部の広場なども一体的に整備され、リニア開業を契機とした名古屋駅周辺の大規模な都市機能更新が進むことになります。
リニア中央新幹線名古屋駅の概要
1.東海道新幹線と並ぶ次世代型高速鉄道の新駅整備
東京都~大阪市を結ぶ中央新幹線の整備に伴う名古屋駅地下の新駅建設計画
設計最高速度505km/hの超電導リニアによる新たな広域高速交通ネットワークの形成
2.東西約900mに及ぶ大規模な地下駅
東西約900m、最大幅約60m、深さ約30mに及ぶ巨大な地下駅施設
2面4線のホームを備え、東海道新幹線やJR在来線などとの乗り換えを担う交通拠点
3.名古屋駅東西で進む大規模な建設工事
桜通口側・太閤通口側の双方で既存建築物の撤去や工事用地の確保が進む駅建設区域
2027年3月12日までを工事期間とする「中央新幹線名古屋駅新設工事」の進行
4.地下鉄や上下水道を含む地下インフラの再構築
リニア駅建設に合わせた地下鉄施設の再構築や下水道管の調査・移設工事
地下連続壁や仮設構台、道路覆工などを活用した都市部ならではの複雑な地下工事
5.桜通口・太閤通口の駅前広場再編
東側では駅前広場やロータリー、歩行者空間を再編し、西側でも新たな交通結節空間を形成
タクシー・一般車・バスなどの交通機能と歩行者動線を整理する新たな駅前空間
6.東西を結ぶターミナルスクエアと歩行者ネットワーク
鉄道・バス・タクシー・一般車・自転車などを結び、乗り換えの利便性を高めるターミナルスクエア
地下通路や歩行者デッキなどを活用した駅と周辺市街地をつなぐ回遊ネットワーク
7.リニア開業を契機とした名古屋駅周辺の都市再編
駅上部を活用した広場整備や街区再編による商業・業務・住宅機能の高度利用
駅を単なる乗り換え拠点から、人が集まり、歩いて楽しめる中部圏の新たな都市拠点へ転換するまちづくり

リニア中央新幹線は、東京都から大阪市までを結ぶ超電導リニア方式の高速鉄道として整備が進められており、設計最高速度505km/hという従来の新幹線を大きく上回る高速性が特徴です。名古屋駅では既存の名古屋駅の地下空間に新たなリニア駅を設け、東京・大阪方面への高速鉄道ネットワークを形成します。これにより名古屋は東海道新幹線と中央新幹線の双方を利用できる広域交通拠点となります。
名古屋駅は東海道新幹線をはじめ、JR在来線、名鉄、近鉄、地下鉄など複数の鉄道路線が乗り入れる中部圏最大級の交通拠点です。リニアの整備によって各交通機関との乗り換え機能がさらに強化され、東京圏・大阪圏との時間距離が短縮されるとともに、名古屋の広域交通拠点としての役割が一段と高まることが期待されています。

リニア中央新幹線の名古屋駅は、既存の名古屋駅周辺の地下に整備される大規模な駅施設です。駅施設は東西方向に約900mにも及び、最大幅約60m、深さ約30mという巨大な地下空間が形成されます。既存の駅施設や地下街、道路などが複雑に入り組む都心部で、これほど大規模な地下駅を構築することになります。
駅には2面4線のホームが設けられる計画で、長大な駅施設を構築するため、地上の道路や建築物だけでなく、既存の地下鉄や上下水道などのインフラとの調整も必要となります。JRゲートタワーでは2017年3月の竣工時点から地下5~6階部分にリニア駅の施設空間を確保しており、周辺の大規模建築物と一体となった地下空間の形成が進められています。


名古屋駅のリニア駅建設では、単純に地下を掘削して駅を造るだけではなく、駅建設予定地に位置していた既存建築物の解体や土地の取得なども進められました。2026年8月時点では、名古屋駅東側の駅施設建設予定地でまとまった工事用地が姿を現しています。駅施設の長大な規模に合わせて、地上の街区も大きく姿を変えつつあります。
地上から見ると、桜通口側と太閤通口側の双方で、駅の東西方向に沿うような細長い工事区域が形成されています。航空写真などからも長大な直線状の用地が確認でき、リニア駅の建設が駅周辺の土地利用や道路構成を大きく変える都市スケールの工事であることが分かります。地下駅の整備と地上の街づくりが連動する点も、このプロジェクトの大きな特徴です。


現地では「中央新幹線名古屋駅新設工事」が進められており、標識での工事期間は2027年3月12日までとされています。工事時間は昼間だけでなく夜間にも設定されており、都市部の限られた空間を活用しながら大規模な地下駅を建設する工事となっています。既存の道路や周辺施設への影響を抑えながら、長大な地下構造物を構築する必要があります。
2026年8月の現地では、太閤通口側において直線的に整えられた工事区域の中で、三点式パイルドライバ、ラフタークレーン、バックホウなどの重機が稼働している様子が確認できます。桜通口側でも同様に広範囲の工事区域が形成されており、駅本体建設に向けた大規模な施工が進行しています。今後さらに地下躯体の構築が進むことで、リニア駅の規模を実感できる段階へ移行していくことが見込まれます。


リニア駅の建設区域には、既存の地下鉄施設や上下水道など、現在の名古屋市街地を支える地下インフラが存在しています。そのため、駅本体の工事と並行して既存施設の再構築や移設なども実施されています。特に名古屋駅周辺は複数の鉄道路線や地下街、道路が集中しているため、地下空間を立体的かつ段階的に再編する必要があります。
現地の工事案内では、地下鉄施設の再構築工事が2026年10月31日まで、下水道管の調査・移設工事も同じく2026年10月31日までの期間で示されています。地下連続壁や仮設構台、道路の覆工なども組み合わせながら、地上交通を維持した状態で地下空間を再編する高度な施工となっています。リニア駅の建設は、既存インフラを機能させながら新たな巨大地下空間を生み出す複合的な工事でもあります。


名古屋駅東側の桜通口周辺では、リニア駅の整備と合わせて駅前広場や交通結節機能の再編が計画されています。地上では駅前広場の再構築、ロータリー交差点の改良、歩行者空間の拡充などが検討され、タクシーや一般車などの乗降スペースも分かりやすく整理される計画です。現在の駅前空間を、リニア開業後に増加する利用者に対応した構成へ転換していきます。
また、地下では歩行者空間の拡大や防災機能の強化、エレベーター・エスカレーターなどの配置見直し、安全性向上に向けた整備が進められます。駅と周辺のオフィス・商業施設をよりスムーズにつなぐことで、リニア開業後の大規模な人の流れに対応する駅前空間が形成されます。周辺の道路や建築物との調和も重視され、名古屋駅東口の新たな都市景観づくりにつながります。


名古屋駅西側の太閤通口周辺では、リニア開業を見据えた交通結節機能と駅前空間の形成が進められています。駅前広場を中心に周辺市街地とのつながりを高め、タクシー乗降場などの交通機能を整理するとともに、歩行者が安全かつ快適に移動できる空間を整備する方向です。再開発が進む周辺エリアと駅をつなぐ新たな玄関口としての役割も期待されています。
さらに、駅前広場には屋根や植栽、ベンチなどを配置し、単なる交通処理空間ではなく、人が滞在・交流できる場所としての活用も想定されています。観光案内や交通情報、文化・交流、MICE、ホテル、オフィスなどの都市機能とも連携し、名古屋駅西側の新たな玄関口となることが期待されています。更にイベントや地域交流などにも対応できる、柔軟性の高い駅前空間の形成が目指されています。

名古屋駅周辺では、リニア駅と既存の鉄道・バス・タクシー・一般車・自転車などを結ぶ「ターミナルスクエア」の整備も計画されています。駅の東西それぞれに交通結節機能を設けることで、乗り換えの分かりやすさを高め、地下通路や歩行者デッキなどを通じて周辺市街地との回遊性を向上させます。鉄道から別の交通機関へ乗り換えるだけでなく、駅から周辺街区へ歩いて移動しやすい構成が重視されています。

東側ではオフィス・商業施設と連携し、ビジネス客や観光客の利用を想定した空間を形成する一方、西側では再開発エリアと連携し、広場を中心とした交流やイベントなどにも対応する方向です。名古屋駅を単なる「乗り換え地点」から、人が滞在し歩いて楽しめる都市拠点へ転換する重要な取り組みとなります。東西で異なる地域特性を生かしながら、駅全体として一体感のある都市空間を形成していくことがポイントとなります。

リニア駅周辺では、地下駅の整備だけでなく、その上部空間を活用した面的なまちづくりも計画されています。上部空間の広場は、東地区では約5,000㎡規模、西地区では約7,000㎡規模の空間が整備される計画です。また、リニア駅の整備によって生まれる新たな地上空間を、駅と周辺市街地をつなぐ公共的な空間として活用する考え方です。
広場は駅と周辺市街地をつなぐ新たな玄関口として、イベントや交流、休憩、防災活動など多様な利用が想定されています。広場に面して建物を配置するなど、街区全体で人の流れを生み出す開発を誘導し、商業・業務・住宅など多彩な都市機能が集積する新たな駅前市街地の形成が目指されています。建物の外観や看板などについても景観上のルールづくりが検討され、駅前にふさわしい街並みの形成につなげる方向です。


リニア中央新幹線の整備効果は、地下駅そのものにとどまらず、名古屋駅周辺の都市構造全体へ波及することが期待されています。駅前広場や歩行者ネットワークを整備するとともに、道路の再編や街区の大規模化を進めることで、土地の高度利用や新たな都市機能の導入を促進します。リニア駅を中心として、駅とまちの関係そのものを再構築する取り組みとなります。
東地区では、広場を中心に人が集まり、歩いて楽しく回遊でき、地域資源を生かしながら安心・安全に過ごせるまちづくりが掲げられています。駅と中村公園方面を結ぶ地域資源の活用や商店街、既存建築物の活用なども視野に入れ、リニア駅を起点として周辺市街地全体の魅力を高める大規模な都市再編が進められます。交通機能の強化と都市機能の更新を一体的に進めることで、名古屋駅は中部圏の玄関口としてさらに大きな役割を担うことになります。
過去の記事
→2025年2月24日投稿 名駅の駅西にリニア駅の地上絵が出現!?リニア中央新幹線名古屋駅2025年2月建設状況と名駅周辺の面的整備計画!!
→2026年1月20日投稿 名古屋駅東側でも進む「リニア中央新幹線名古屋駅新設工事」!!リニア駅直上には、広場空間や周辺街区の大街区化による面的整備も計画!!
→2019年6月1日投稿 リニア中央新幹線名古屋駅 リニア駅周辺まちづくり西地区 #現地の様子 #進捗状況201903
→2019年6月3日投稿 リニア中央新幹線名古屋駅 リニア駅周辺まちづくり東地区 #現地の様子 #進捗状況201903
→2017年8月27日投稿 リニア中央新幹線名古屋駅 リニア駅周辺まちづくり西地区
→2017年8月20日投稿 リニア中央新幹線名古屋駅 リニア駅周辺まちづくり東地区
出典
・名古屋市 リニア中央新幹線の開業に向けた都心まちづくり
・名古屋市 リニア駅周辺のまちづくりの方向性(中間とりまとめ)
・名古屋市 リニア駅周辺街区の面的整備
・名古屋市 名古屋駅駅前広場の再整備プラン(中間とりまとめ)
・東海旅客鉄道株式会社 リニア中央新幹線
・東海旅客鉄道株式会社 中央新幹線品川・名古屋間事業説明会(名古屋市東区)
・東海旅客鉄道株式会社 中央新幹線名古屋駅新設(東工区・東山線工区・中央東工区・中央西工区・西工区)工事における環境保全について
・東海旅客鉄道株式会社 中央新幹線第一中京圏トンネル新設(名城工区)オープンハウス型説明会
最終更新日:2026年9月11日