富士通株式会社は、創立90周年を迎える2025年6月、神奈川県川崎市に位置する「Fujitsu Technology Park」の再開発プロジェクトを本格始動しました。本プロジェクトは「Open Innovation&Technology Park」をコンセプトに、川崎市と連携し、自治体・地域社会・教育研究機関など多様なステークホルダーとの共創を推進するものです。敷地内を「4つのまち」として再構築し、テクノロジーと自然、健康、創業精神の融合による革新的なまちづくりを目指します。また、2035年の創立100周年を見据え、段階的な整備を通じて、持続可能な未来都市モデルの実現に貢献していくものとされています。
→富士通株式会社 Fujitsu Technology Parkの再開発プロジェクトを開始
→川崎市 (仮称)富士通川崎工場再開発計画に係る条例方法審査書の公告について(お知らせ)
Fujitsu Technology Park再開発の概要
1. 創立90周年を契機とした再開発プロジェクトの始動
富士通は創立90周年の2025年、川崎市と連携し再開発を開始。2035年の100周年に向け、技術と地域の共生を目指す
2. 再開発のコンセプト:「Open Innovation & Technology Park」
地域・教育機関などと連携し、多様な価値を創出。環境や技術など4テーマに基づいて段階的に整備を進める。
3. まちづくりの4テーマ
環境共生、テクノロジー、ウェルビーイング、創業精神の4分野で魅力ある都市空間の形成を図る。
4. 主要施設の整備計画
スポーツ・防災の複合施設「Fujitsu Arena」や、技術展示の「Fujitsu Museum」を順次整備予定。
5. 量子コンピュータ拠点の整備
1000量子ビットの超伝導量子コンピュータ棟を建設。2026年度の完成を予定し、研究と発信の拠点とする。
6. 緑化活動と地域連携の評価
長年の緑地整備と地域開放が評価され、「みどりの社会貢献賞」を受賞。自然と調和するまちづくりを実践。
7. 働き方改革と拠点集約
首都圏の機能を集約し、研究開発の中核拠点に。生産性とイノベーションを高め、地域と共に成長を図る。

Fujitsu Technology Parkの前身は1938年に竣工した川崎工場であり、同社の創業の精神が根付く象徴的な地です。2011年に再開発計画が始動したものの、2015年に一時中断。その後、川崎市との連携強化を通じて再構築への機運が高まり、2024年には本社機能や研究開発機能の集約が完了しました。2025年1月からは、世界最大規模となる1000量子ビット級の超伝導量子コンピュータ展示施設「量子棟」の建設も開始され、2026年度の完成を目指しています。


再開発は、「豊かな環境を創造するまち」「テクノロジーで社会をひらきつながるまち」「スポーツ・健康を中心に心身が満たされるまち」「創業の精神が息づくまち」の4つのテーマで構成されます。自然共生やレジリエンスを重視した緑地整備、地域との共創によるイノベーション創出、ウェルビーイングの向上を目指したスポーツ施設、そして地域と企業の歴史をつなぐ拠点の創出を通じて、誰もが歩きたくなるウォーカブルな都市空間を形成。2024年には「みどりの社会貢献賞」も受賞するなど、環境への貢献も高く評価されています。

今後の再開発は段階的に進行予定で、第1段階では敷地北西に「Fujitsu Arena(仮称)」を新設。スポーツやイベント、災害時の避難スペースとして活用可能な複合施設となります。続く第2段階では、「Fujitsu Museum/Open Innovation(仮称)」が敷地入口に整備され、地域や顧客との共創を促す空間が創出される予定です。また、同社の「Work Life Shift」に基づく働き方改革や、デジタル拠点の再編とも連動し、Fujitsu Technology Parkはグローバル企業としての新たな姿を象徴する拠点へと進化していきます。
当初の川崎工場の再開発プロジェクト


本プロジェクトは当初、2011年に第一期計画として始動し、新棟の建設と老朽建屋の解体が計画されていました。しかし、2015年に事業方針の見直しなどに伴い、一時中断を余儀なくされていました。以降、社会・経済環境の変化や技術革新の進展を踏まえ、再開発のあり方について検討が続けられてきました。そして2025年現在、再開発計画の再始動が行われることになりました。
川崎工場は、創業当初からの主要拠点であり、約12万600平方メートルの敷地に約1万2,000人の従業員が勤務する富士通の中核施設です。再開発によって、同工場は今後の富士通の研究開発を担う先進的な拠点として再整備される見通しです。当初、新棟は地上12階・地下1階、高さ約57.5メートル、延床面積約12万平方メートル(敷地全体で約235,810平方メートル)の規模が想定されており、川崎工場の既存部門に加えて、富士通研究所(川崎地区)の機能も集約される予定でした。
最終更新日:2025年6月2日