佐賀県は、令和11年(2029年)4月の開学を目指して新設される佐賀県立大学(仮称)の施設に関する基本設計を公表しました。本大学は理系(データサイエンス・情報)と文系(経営・マネジメント)を融合させた理文融合型教育を提供し、地域との連携を重視するキャンパスづくりを特徴としています。
設計コンセプトは「まちのようにキャンパスをつくる」で、学生、地域住民、企業、自治体など多様な人々が行き交い、偶発的な交流や協働が生まれる空間を目指しています。既存建物の改修と新設校舎の建設により、教育・研究・地域連携の機能をバランス良く配置し、持続可能性やユニバーサルデザインにも配慮した施設計画となっています。
→佐賀県 佐賀県立大学(仮称)の施設に関する基本設計をとりまとめました
佐賀県立大学(仮称)の概要
- 設計コンセプト
「まちのようにキャンパスをつくる」思想。
偶発的な交流と協働が生まれる空間設計。 - 教育・研究の方向性
理文融合型の教育環境整備。
学生主体の学びと教員との対話環境。 - 校舎構成と配置計画
A館・B館・C館の3棟構成。
オープンスペースによる街とのつながり。 - 平面計画とゾーニング
講義室・コモンズ・図書館の連携配置。
学習規模に応じた可変性と柔軟性。 - 内観デザイン
吹き抜けや段差を活かしたコモンズ空間。
可変性のあるキューブによる多目的利用。 - 環境・ユニバーサルデザイン
ZEB Ready対応による省エネ設計。
年齢・性別・障害に配慮した利用環境。 - 整備スケジュールと事業費
既存建物改修と新設校舎の段階整備。
開学予定2029年、総事業費130〜140億円。

佐賀県立大学(仮称)の設計は、「キャンパスをまちのように開く」というコンセプトを軸に展開されます。キャンパス内には「キューブ」と「コモンズ」と呼ばれる空間が配置され、個人学習からグループワークまで多様な学習スタイルに対応する可変性の高い活動空間と、学生や教員、地域住民が自然に交わる対話・協働の場を提供します。
教育面では、授業規模や内容に応じて小講義室を組み合わせて利用できる柔軟性を持たせ、学生の主体的な学びを促進します。研究面では、教員間および学生とのコミュニケーションを支える空間を整備し、熱量の高い研究活動を支援します。さらに、産学官連携や地域との接点を増やすことで、大学と地域社会が相互に価値を創出できる環境を目指しています。

キャンパスは既存C館を活用しつつ、新設A館とB館を加えた3棟構成で計画されています。A館は学生主体の学習・交流スペース、B館は大・中講義室を中心とした教育施設、C館は教員室や事務機能を担う配置です。敷地は13,530㎡で、東側にはオープンスペースを設け、学生と地域が自然に接する環境を創出します。敷地西側の既存住宅に配慮し、人が集う賑わいの場は東側に配置されるなど、周辺環境との調和も図られています。駐車場、駐輪場、バイク置場も整備され、利便性と快適性が両立しています。


各棟は学習・交流・事務機能を明確にゾーニングしつつ、渡り廊下や屋上テラスで一体的に利用可能とする計画です。A館の各階には多様なコモンズを配置し、学生の学習や交流の場を広く確保しています。講義室は規模や授業内容に応じて可変利用でき、2階の図書館は自律的な学びと交流を促進します。C館では教員室や事務機能とコモンズが一体化しており、学生との交流を促す設計となっています。B館には355席の大講義室や可動席の中講義室を設け、授業や地域連携イベントへの活用も想定されています。全体として、学びの多様化とオープンな交流を両立する設計が特徴です。

内観では、吹き抜けや段差を活かしたコモンズ、ガラスパーテーションで連続性を持たせた小講義室、開閉可能なキューブなど、可変性と開放感を重視した空間づくりがなされています。階段型コモンズや屋上テラスなど、多目的に利用できる場所を各階に設け、プレゼンやグループ学習、地域連携活動など多様な用途に対応可能です。素材や色彩を工夫し、学生が主体的に活動したくなるような刺激的な環境を提供しています。また、教員室や事務室周辺にもコモンズを設け、学内全体で偶発的な対話や協働が生まれる設計です。

施設計画には、ユニバーサルデザインと環境配慮が組み込まれています。「さがすたいる」の考え方を踏まえ、年齢・性別・障害の有無にかかわらず安心して利用できる設計です。ZEB Readyを達成する高断熱化や高効率空調、太陽光発電の導入により、環境負荷の低減を図ります。施設整備は既存C館を改修、A館・B館を同時に新設するスケジュールで進行し、開学時には必要な教育・研究・地域連携機能を整えます。校舎建設費は約104億円、実施設計を含む総事業費は130〜140億円程度を見込んでいます。
最終更新日:2025年12月2日

