日本の大手建設会社である大林組の海外グループ会社「OBAYASHI PROPERTIES UK LIMITED(OPUK)」は、英国ロンドンに拠点を置き、同市シティ地区に所在するオフィスビル「60 Gracechurch Street」の再開発計画において、ロンドン市より正式に開発許認可を取得しました。
60 Gracechurch Streetは、地上37階、地下2階、総貸床面積約39,900㎡の超高層ビルへ建て替え、ロンドン・シティの金融街に新たなオフィス環境を提供するとともに、環境性能の向上を追求することで、持続可能な都市開発のモデルケースとなることを目指しています。現在、ロンドン・シティでは企業のオフィス環境に対するニーズが多様化しており、エネルギー効率の向上や公共空間の充実が求められています。本計画では、こうした市場の動向を踏まえ、次世代型のオフィスビルとして地域社会や企業の発展に貢献していく方針です。
→株式会社大林組 英国ロンドン・シティで「60 Gracechurch Street」の開発許認可を取得
→シティ・オブ・ロンドン 60 Gracechurch Street 計画申請小委員会
→ シティ・オブ・ロンドン シティ・オブ・ロンドン・コーポレーションがグレースチャーチ・ストリートに36階建てのタワーを建設
→60 Gracechurch Exhibition Board
60 Gracechurch Streetの概要
- 開発許認可取得
大林組の英国子会社「OBAYASHI PROPERTIES UK LIMITED(OPUK)」が、ロンドン・シティにおけるオフィスビル再開発計画の許認可を取得。 - 立地とアクセス
ロンドン・シティの金融中心地に位置し、「BANK」駅・「MONUMENT」駅から徒歩2分、「CANNON STREET」駅から徒歩5分の好立地。 - 建物の概要
地上37階、地下2階、総貸床面積約39,900㎡のオフィス・商業施設を開発予定。 - 環境・サステナビリティ
炭素排出を最小限に抑える設計を採用し、100%電力供給を活用。リサイクル可能な建材の使用や省エネ技術の導入を推進。 - パブリックスペースの充実
35階の「Sanctuary」スペースを一般公開し、屋上庭園や地域向けのイベント・教育プログラムを提供。 - 都市景観への貢献
「Eastern Cluster」に位置し、ロンドン・シティのスカイラインに調和する独自の建築デザインを採用。 - 大林組のロンドン事業展開
「Bracken House」「20 Gracechurch Street」などの不動産資産を保有し、英国市場での事業拡大を継続。

60 Gracechurch Streetは、ロンドン証券取引所やイングランド銀行が立ち並ぶ歴史的な金融地区「ロンドン・シティ」の中心に位置しています。このエリアは、英国経済の中枢を担う重要なビジネス拠点であり、多くの国際企業がオフィスを構えています。また、同エリアでは隣接して「70グレースチャーチストリート」などの都市開発が進められており、今後さらなる成長が見込まれています。

再開発計画では、地上37階、地下2階、総貸床面積約39,900㎡のオフィス・商業施設から構成される超高層ビルを建設する予定です。特に、各階に設けられるバルコニーや、開放的なパブリックスペースの充実を通じて、ビル内外の環境向上を図ります。これにより、単なるオフィスビルではなく、利用者が快適に過ごせる新しいワークプレイスを提供します。

地下鉄「BANK」駅および「MONUMENT」駅から徒歩2分、「CANNON STREET」駅から徒歩5分という、非常に優れた交通利便性を誇る立地にあります。そのため、企業の従業員だけでなく、訪問者やビジネスパートナーにとってもアクセスしやすい環境が整っています。また、高さ規制の厳しいロンドン・シティにおいて、高層ビルの建設が可能な希少な立地であることも、大きな特徴の一つとされています。


「60 Gracechurch Street」は、ロンドン・シティに位置し、ランドマーク的な役割を果たします。歴史的背景を尊重しつつ、近代的なオフィス空間を創出し、国際金融都市としての魅力をさらに高めることを目的としています。
特に、建築デザインにおいては、周囲の都市景観と調和しながらも、独自性を持ったシルエットを形成することで、ロンドンのスカイラインに新たなアクセントを加えることが期待されています。周辺エリアの既存建築とのバランスを考慮しながら、視覚的にも印象的なデザインを採用し、訪れる人々に新しい体験を提供します。

60 Gracechurch Streetでは、地域住民やビジネスパーソンに向けた公共空間を多数設けています。35階に設置される「Sanctuary」スペースは、無料で一般公開される予定であり、ロンドンのパノラマビューを楽しめる屋上庭園も提供されるほか、教育プログラムや地域社会向けのイベント開催も想定されています。
「Sanctuary」スペースは、ロンドン市民や訪問者が自由に利用できる文化・交流の場として機能するだけでなく、持続可能な都市づくりを学ぶ教育空間としての役割も果たします。学校や地域団体向けのワークショップを定期的に開催することで、環境意識の向上を促し、次世代の持続可能な都市生活を考える場を提供します。

環境性能面や環境対策面では、建設時および運用時の炭素排出を最小限に抑える設計が採用されています。例えば、地下掘削の削減及び回避、電力による稼働100%を目指したエネルギー戦略の導入などが挙げられます。これにより、ロンドン市の環境基準を満たすだけでなく、持続可能な都市開発の新たなモデルとなることを目指します。
加えて、建材の選定においても環境負荷の低減を意識し、リサイクル可能な素材を積極的に使用する予定とされているほか、建設後のエネルギー消費に関しても、最新の省エネ技術を導入し、空調・照明などの消費電力を最小限に抑える計画です。また、施設全体の運営においては、再生可能エネルギーの活用や省エネルギーシステムの導入を推進し、環境負荷を可能な限り低減することを目指します。

「60 Gracechurch Street」は、ロンドン・シティ東部の超高層ビル群「Eastern Cluster」の西端に位置し、歴史と最先端の建築が融合する都市景観の一部となります。60 Gracechurch Streetでは、周辺環境との調和を重視し、洗練されたデザインと持続可能な建築手法を取り入れることで、ロンドンのスカイラインに新たな価値をもたらします。
また、建物の外観は、ガラスと石材を組み合わせた現代的なデザインを採用し、周囲の歴史的建築物との調和を図りながらも、独自の存在感を放つランドマークとしての役割を果たします。さらに、広々とした歩道の整備や公開空地の設置により、歩行者にとって快適な都市空間を創出し、ビジネス街としての魅力を一層高めることを目指します。本計画により、「60 Gracechurch Street」は単なるオフィスビルにとどまらず、ロンドン・シティの発展に寄与する新たなシンボルとして、未来に向けた持続可能な都市づくりに貢献していくものとされています。
最終更新日:2025年3月18日