モータースポーツと豊かな自然が融合する静岡県小山町の「富士モータースポーツフォレスト」に、新たな大型複合商業施設「(仮称)おおみかテラス」が誕生します。トヨタ不動産株式会社と富士モータースポーツフォレスト株式会社の共同開発により、2026年春にレストランの一部が先行オープン、2027年春には温泉・ホテルを含む全面開業が予定されています。「食」「癒」「泊」の三要素を軸に、富士山の絶景とともに楽しむことができるこの施設は、「富士モータースポーツフォレスト」発表以降、最大規模の新規開発となります。首都圏からのアクセス性も大幅に向上することから、観光拠点としても注目を集めそうです。
→トヨタ不動産株式会社 富士モータースポーツフォレストに「食・癒・泊」の新商業施設が誕生 ~「(仮称)おおみかテラス」 2026年春より順次OPEN~
→トヨタ自動車株式会社/富士スピードウェイ株式会社/東和不動産株式会社「富士モータースポーツフォレスト」プロジェクトを推進
→小山町 (仮称)小山スマートIC地区協議会
「(仮称)おおみかテラス」の概要
- 施設名称と開発主体
「(仮称)おおみかテラス」は、トヨタ不動産株式会社と富士モータースポーツフォレスト株式会社が共同で開発する新たな複合商業施設です。 - 開業時期と段階的オープン
2026年春にレストランが先行オープンし、2027年春には温泉施設やホテルを含む全面開業が予定されています。 - 施設のテーマ:「食・癒・泊」
施設は「食(レストラン)」「癒(温泉・サウナ)」「泊(ホテル)」の3つの柱で構成され、それぞれが富士の自然や地域の特色を活かした内容となっています。 - レストラン(食)
和・洋・中の8店舗が出店予定。地元食材を使用した料理を提供し、富士山を望むロケーションでの食体験を楽しめます。 - 温泉・サウナ(癒)
富士山を正面に臨む天然温泉とサウナを完備。絶景と調和した空間で心と身体を癒す体験を提供します。 - ホテル(泊)とドッグフレンドリー環境
多様な宿泊ニーズに対応し、愛犬と泊まれる客室やドッグテラス、ドッグ関連店舗なども整備。周囲にはせせらぎや桜並木のある自然豊かな環境も整えられます。 - アクセス性と立地
新東名高速道路の全線開通および(仮称)小山PAスマートインターチェンジの開設により、首都圏からのアクセスが大幅に向上。観光拠点としての利便性が高まります。

「おおみかテラス」の中核を成すレストランエリアには、和・洋・中のジャンルを網羅するバラエティ豊かな8店舗の出店が予定されています。地元・静岡の旬の食材を活かしたメニューが並び、訪れる人々に富士の恵みを存分に味わってもらえる内容となっています。レストランの設計には開放感と景観への配慮が施され、富士山の雄大な姿を眺めながらの食事体験も魅力のひとつです。


施設の「癒し」エリアには、富士山を真正面に望む天然温泉とサウナが整備されます。雄大な山容と一体化するように設計された温泉施設では、静かな湯けむりに包まれながら心身を解きほぐすひとときを過ごすことができます。四季折々の富士の表情を眺めながらの入浴は、日常の喧騒を忘れさせてくれる特別な体験となるでしょう。

「おおみかテラス」内には、木々に囲まれた快適なホテルが併設されます。多様なニーズに応える客室構成を予定しており、一部客室には愛犬と一緒に宿泊できる「ドッグフレンドリールーム」も設けられます。加えて、ペット同伴で利用可能なテラス席やドッググッズを扱う店舗も整備されるなど、愛犬家にとってもうれしい配慮がなされています。敷地内にはせせらぎや広場、桜並木の散策路なども整備され、訪れる人々に癒しと潤いの空間を提供します。


「おおみかテラス」は、2027年度に予定される新東名高速道路の全線開通および「(仮称)小山PAスマートインターチェンジ」の整備により、交通アクセスが大幅に向上する見込みです。同インターチェンジからほど近い立地に位置し、首都圏からのアクセスも格段に便利になります。これにより、国内外からの観光客やモータースポーツファンのさらなる誘致が期待されます。

富士モータースポーツフォレスト

「富士モータースポーツフォレスト」は、トヨタ自動車、富士スピードウェイ、トヨタ不動産(旧:東和不動産)が共同で開発するモビリティとモータースポーツの一大複合施設です。国際レーシングコース「富士スピードウェイ」を中心に、ラグジュアリーホテル「富士スピードウェイホテル」や、歴代の名車を展示する「富士モータースポーツミュージアム」、レーシングチームのガレージ、温浴施設、レストランなど多彩な施設が集積。訪れる人々に「大人の遊び場・社交場」として、モータースポーツを“知り・楽しみ・参加する”新たな体験を提供します。東京から車で約1時間、アクセス性も高く、日帰り観光にも適した立地です。

フォレストの主な構成要素は、全長4,563mの国際サーキットを擁する「富士スピードウェイ」、日本初進出のホテルブランド「アンバウンド コレクション by Hyatt」を冠する「富士スピードウェイホテル」、トヨタ博物館監修のミュージアムなど。ホテルでは富士山とサーキットビューの両方を堪能でき、ミュージアムには国内外から約40台のレーシングカーが展示されています。また、普段は立ち入ることができないレーシングチームのガレージエリアの見学ツアーや、走行体験、ピット作業の見学など、“現場の臨場感”を肌で感じられるユニークなプログラムも用意されています。


2023年5月には、西ゲート隣接の「ウェルカムセンター」が開業し、施設全体の利便性と体験価値が一層向上しました。1階は水素エンジン車やEVなどの企画展示コーナー、2階には休憩スペースと「ルーキーレーシングガレージ」見学通路、屋上には富士山とサーキットを一望できる展望テラスを備え、誰もが無料で立ち寄れる施設となっています。西ゲートの通常開放により、ホテルやミュージアムからのアクセスも大幅に改善。将来的にはさらなる施設拡充と周辺観光地との連携を通じ、地域全体の魅力を高める「未来のモータースポーツの街」としての成長が期待されています。
富士スピードウェイ
富士スピードウェイは、国際自動車連盟(FIA)から最高位の「グレード1」の認定を受けた、日本屈指のレーシングサーキットです。1965年12月に完成し、1966年1月に営業を開始して以来、鈴鹿サーキットと並び日本のモータースポーツ発展の中心的存在として知られています。
静岡県小山町の山間部に位置し、東京都心から車で約1時間半とアクセスも良好。周辺にはレーシングチームやメンテナンス会社の拠点も集積しています。ただし、霧や大雨といった天候の影響を受けやすく、開催に支障をきたすケースもあります。運営の富士スピードウェイ株式会社は、当初は三菱地所の子会社でしたが、2000年からトヨタ自動車の傘下となり、2023年からは同社の完全子会社に。英語名「Fuji International Speedway Co.,Ltd」にちなみ、かつては「FISCO(フィスコ)」の略称で親しまれていましたが、現在は「FSW」が主流となっています。

イベント面では、世界耐久選手権(WEC)、GTワールドチャレンジ・アジア、SUPER GT、スーパーフォーミュラなどの主要レースが開催され、国内外のモータースポーツファンを魅了しています。1976年には日本初のF1グランプリも開催。アマチュアレースや24時間耐久レースも盛んで、多くのドライバーの登竜門にもなっています。また、東京2020オリンピックでは自転車競技会場としても使用されました。
コースは高速レイアウトを特徴とし、特に全長1.475kmのメインストレートは、日本最長かつ世界でも屈指の長さを誇ります。2005年にはヘルマン・ティルケの手により再設計され、テクニカルな要素も加えられましたが、その高速志向は変わっていません。富士スピードウェイは、モータースポーツの舞台であると同時に、その歴史と進化が日本の自動車文化を物語る存在でもあります。
最終更新日:2025年5月28日