茨城県つくば市吾妻二丁目に位置する国家公務員宿舎跡地(通称「70街区」)について、財務省関東財務局が実施した二段階一般競争入札の結果、大和ハウス工業株式会社が落札者に選定されました。対象地は約5万3,866㎡に及ぶTX「つくば」駅近接の大規模国有地で、つくば中心市街地の将来を左右する重要な開発計画です。
大和ハウス工業の提案では、地上15階建て、総戸数570戸の分譲マンションを中心に、200戸の賃貸マンション、27戸の戸建住宅を整備するほか、「(仮称)スーパーシティ実装センター」と生活利便施設を一体的に整備します。生活利便施設には、イオンの都市型ショッピングセンター「そよら」の出店が見込まれており、住宅・商業・イノベーション機能が融合した新たな複合街区が誕生します。さらに、街区中央には広場や交流拠点を設け、スーパーシティ構想やスタートアップ支援、最先端技術の社会実装の場としても活用される計画です。竣工は2033年6月頃を予定しており、つくば駅周辺における新たな都市拠点形成が大きく前進することになります。
吾妻二丁目国家公務員宿舎跡地(70街区)開発計画の概要
1.大和ハウス工業が70街区を落札
財務省関東財務局が実施した二段階一般競争入札により、大和ハウス工業株式会社が約5万3,866㎡の国家公務員宿舎跡地を取得。
つくば駅近接の大規模街区を活用した、中心市街地の新たな複合開発プロジェクトの始動。
2.総戸数570戸の分譲マンションを整備
街区南西側には、地上15階建て、総戸数570戸の大規模分譲マンションを整備。
つくば駅徒歩圏における大規模住宅供給による新たな居住人口の創出。
3.賃貸マンションと戸建住宅も導入
街区北西側と東側に地上3階建て賃貸マンション12棟・計200戸、北東側に戸建住宅27戸を整備。
多様なライフスタイルや世代に対応した複合住宅街区の形成。
4.イオンの都市型商業施設「そよら」が出店
街区南東側には約10,840㎡の生活利便施設を整備し、イオンの都市型ショッピングセンター「そよら」が出店予定。
日常利用に特化した商業機能による利便性向上と地域のにぎわい創出。
5.スーパーシティ実装センターを整備
商業施設と一体で「(仮称)スーパーシティ実装センター」を整備し、先端技術の社会実装を推進。
研究機関やスタートアップ企業などが集積するイノベーション拠点の形成。
6.中央広場と交流拠点を整備
街区中央には公園・広場空間や交流拠点を配置し、市民や住民が集う場を創出。
イベントや実証実験などを通じたコミュニティ形成と社会実装の推進。
7.緑豊かな都市環境を継承
学園中央通り沿いをはじめ街区全体に緑地帯を確保し、研究学園都市らしい景観を継承。
住宅・商業・研究開発機能と緑地が融合した次世代型複合都市拠点の創出。

吾妻二丁目国家公務員宿舎跡地は、つくばエクスプレス「つくば」駅から徒歩圏内に位置する約53,866㎡の大街区です。筑波研究学園都市の中心部に位置することから、その活用方法は長年にわたり注目されてきました。
財務省関東財務局は、この土地の処分にあたり「二段階一般競争入札」を採用しました。この方式は、単なる価格競争ではなく、まず土地利用計画やまちづくりの考え方を審査し、その評価を通過した事業者のみが価格競争に参加できる制度です。

令和8年(2026年)5月22日に開札された結果、大和ハウス工業株式会社が落札者として決定しました。同社は住宅供給だけでなく、商業施設やイノベーション施設を組み合わせた複合開発を提案しており、つくば市が目指してきた中心市街地活性化の方向性と合致した計画となっています。

今回の計画では、住宅機能が街区全体の大きな柱となります。スマート街区地区には、地上15階建て・総戸数570戸の分譲マンションが整備されます。イメージパースからは、街区南西側に大規模な分譲マンションが配置されている様子が確認でき、つくば駅近接エリアとしては最大級の住宅供給となる見込みです。
さらに、街区内には3階建ての賃貸マンション12棟、計200戸が整備されます。賃貸住宅は街区北西側および東側に配置されており、多様な居住ニーズに対応する計画です。

加えて、街区北東側には戸建住宅27戸が整備されます。戸建住宅は都市計画道路「学園中央通り線」から約250m離れた位置に配置される計画で、静かな住環境を確保しながら都心居住と郊外住宅の魅力を両立させる街づくりが目指されています。
分譲住宅、賃貸住宅、戸建住宅を合わせると797戸規模となり、つくば駅周辺に新たな居住人口を呼び込む一大住宅開発プロジェクトとなります。

イノベーション拠点地区となる街区南東側には、「(仮称)スーパーシティ実装センター/生活利便施設」が整備されます。施設面積は約10,840㎡で、生活利便施設としてイオンの都市型ショッピングセンター「そよら」が出店する見通しです。
「そよら」は、「そら、寄って、楽しんでって!」という呼びかけを由来とするイオンの新しい商業施設ブランドです。「通う・集う・つながる場」をコンセプトとしており、日常生活に必要な商品やサービスをワンストップで提供する都市型商業施設として全国各地で展開が進められています。

つくば駅周辺では大型商業施設が集積している一方、徒歩圏の日常利用型施設への需要も高く、「そよら」の出店によって近隣住民の利便性向上が期待されます。また、住宅街区と商業施設が一体的に整備されることで、自動車に依存しないコンパクトな都市生活の実現にも寄与するとみられています。


今回の開発の大きな特徴は、単なる住宅開発ではなく、研究都市つくばならではのイノベーション機能を導入する点にあります。大和ハウス工業の提案では、イノベーション拠点地区において、研究機関やスタートアップ企業、ベンチャー企業、その他業務施設などを誘導し、最先端技術が交流する拠点を形成するとしています。
つくば市はこれまで「つくば中心市街地まちづくり戦略」に基づき、70街区をスーパーシティやスタートアップエコシステムの拠点として活用する方針を示してきました。そのため、整備される「(仮称)スーパーシティ実装センター」では、研究成果の社会実装やAIやデジタルサービスの実証、新モビリティの導入、スタートアップ支援、カーボンニュートラル技術の実証などが行われる可能性があります。筑波研究学園都市に集積する研究機関や大学との連携によって、全国的にも先進的な都市実験フィールドとなることが期待されています。

イメージパースでは、街区の中央部に大きな公園・広場空間が設けられていることが確認できます。
現在の「ななまる公園」の場所には新たな広場と交流拠点が整備される計画で、住民だけでなく市民全体が利用できる憩いの空間となります。この広場は単なるオープンスペースではなく、スーパーシティ構想の実証実験や地域イベントなどを開催できる社会実装の場として位置付けられています。

また、学園中央通り沿いには幅員2m以上の緑地帯を確保し、そのほかの道路沿いでも幅員1m以上の緑地帯を整備する計画です。これにより、筑波研究学園都市が長年培ってきた緑豊かな都市景観を継承しながら、新たな街区形成が進められます。
住宅、商業、研究開発機能、交流空間、緑地が一体となった70街区は、つくば駅周辺の新たなランドマークとして、そして研究学園都市の次世代モデルとなるまちとして大きな期待を集めています。2033年の完成に向け、今後の計画具体化や施設内容の発表にも注目が集まりそうです。
出典
・つくば市 吾妻二丁目国家公務員宿舎跡地に関するこれまでの取組
・財務省 関東財務局 二段階一般競争入札による入札結果一覧表(令和8年5月22日開札)
最終更新日:2026年5月31日