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遂に線路敷設が開始された「羽田空港アクセス線(仮称)」!!2031年度開業目標の東京駅から羽田空港新駅まで至る約12.4kmの新路線!!

羽田空港アクセス線(仮称)は、東日本旅客鉄道(JR東日本)が計画している、東京圏と羽田空港を直結する新しい空港アクセス鉄道です。田町駅付近から東京貨物ターミナルを経由し、羽田空港新駅(仮称)までを結ぶ「東山手ルート」と、そこから大井町駅や東京テレポート駅へ接続する「西山手ルート」「臨海部ルート」を整備します。

本線は約12.4kmの路線で、そのうち東京貨物ターミナルから羽田空港までの約5.0kmは新規にシールドトンネルを建設する「アクセス新線」となります。これにより、東京駅から羽田空港までの所要時間は現行の30分前後から約18分に短縮され、宇都宮線・高崎線・常磐線方面など、広域からの直通アクセスも可能となります。3ルートのうち「東山手ルート」の工事は2023年6月に本格着手しており、2031年度の開業を目標に進められています。アクセス線の整備は、羽田空港の機能強化、輸送力増強、都市の国際競争力向上に寄与する重要なプロジェクトです。

→東日本旅客鉄道株式会社 羽田空港アクセス線(仮称)の本格的な工事に着手します
→国土交通省関東地方整備局 羽田アクセス鉄道事業 事業内容

羽田空港アクセス線の概要

1. 事業の目的と意義
羽田空港アクセス線の新設計画。
首都圏と羽田空港間の直通アクセス強化。

2. 計画ルートの概要
田町駅付近から羽田空港新駅までの路線整備。
将来的な延伸や都市鉄道ネットワークとの接続構想。

3. 工事区間の詳細
東海道線接続区間、大汐線改修区間、貨物ターミナル内改良区間、アクセス新線区間の四区間。
線路移設、橋梁改修、基盤整備、シールドトンネル建設の施工内容。

4. 羽田空港新駅の概要
第1・第2ターミナル間に設置される地下駅。
島式ホーム1面2線の構造と空港機能への寄与。

5. 工事の進捗状況
2023年起工式以降の本格工事開始。
線路切替、基盤整備、トンネル建設の進行状況。

6. 運行計画と所要時間
東京駅から羽田空港まで約18分の短縮。
最大1時間8本、1日約144本の運行体制。

7. 開業目標と将来展望
2031年度開業を目標とした事業推進。
直通アクセス実現による都心・空港利便性向上と地域再開発への影響。


*遂に線路の敷設が開始された東京貨物ターミナル構内区間

羽田空港アクセス線は、国土交通省交通政策審議会の答申第198号(2016年)において「国際競争力の強化に資する鉄道ネットワークプロジェクト」と位置付けられています。首都圏の多方面から羽田空港へ直接アクセス可能にすることで、インバウンド需要の増加に対応するとともに、旅行者やビジネス客にシームレスな移動手段を提供します。また、異常時には輸送代替性を確保でき、都市全体の発展や空港の国際競争力向上にも寄与します。さらに、既存路線との接続を活かすことで、鉄道輸送力の大幅な増強も期待されます。

出典∶東日本旅客鉄道株式会社

羽田空港アクセス線は、「東山手ルート」「アクセス新線」を中心に整備されます。東山手ルートは田町駅付近から東京貨物ターミナルを経由し羽田空港新駅(仮称)に至るルートで、既存の休止中の大汐線の高架橋や橋梁を活用し、必要な改修を行った上で新線と接続します。アクセス新線は、東京貨物ターミナルから羽田空港新駅まで最大深度約50mの複線シールドトンネルを建設し、トンネル内には最新の安全設備が設置されます。これにより、広域からの直通アクセスや東京駅からの短時間到達が可能になります。

出典∶東日本旅客鉄道株式会社
*東京貨物ターミナル構内区間では跨線橋などの整備も進む

羽田空港アクセス線の工事は、主に4つの区間に分けて進められています。まず、田町駅付近の東海道線接続区間では、山手線や京浜東北線の線路を西側に移設することで、東海道線の上下線の間に新線を敷設するためのスペースを確保しています。次に、大汐線改修区間では、休止中であった大汐線の橋梁や高架橋を改修し、土木工事や軌道・電気設備の更新を行うことで、新線の運行に必要な基盤を整えています。

さらに、東京貨物ターミナル内改良区間では、車両の留置線や保守基地線を新設し、運行管理や車両整備に不可欠な施設を整備しました。そして最後に、アクセス新線区間では、東京貨物ターミナルから羽田空港新駅までの約5.0kmにわたり、最大深度50mの複線シールドトンネルを建設しています。空港内では関東地方整備局が駅やトンネルの基盤施設を整備し、空港アクセスの円滑化と安全性の確保を図っています。

*羽田空港P3駐車場南側に羽田空港新駅の駅舎が建設される
出典∶東日本旅客鉄道株式会社

羽田空港新駅は、第1旅客ターミナルと第2旅客ターミナルの間に地下駅として設置されます。島式ホーム1面2線で、延長約310m、最大幅員12mを確保。地下1階に位置し、第2ターミナルとの高低差はなく、バリアフリーでのスムーズな移動が可能です。駅設備には安全性と利便性を考慮した最新設備が導入され、空港の輸送能力向上に大きく寄与します。

*羽田空港新駅の工事にも着手している
現地にて撮影/出典∶東日本旅客鉄道株式会社

東山手ルートは、新橋駅から東京貨物ターミナル経由で田町駅付近に至るルートです。既存の大汐線の改修と、大汐短絡線の建設により、田町駅付近で東海道線旅客線へ接続。これにより、東京駅から羽田空港まで約18分での直通アクセスが実現します。ルート整備の過程では、東海道線下をくぐるトンネル構造や線路移設が行われ、周辺住民や利用者への影響を最小限に抑えつつ、工事を進めています。

*駅ホームはP3駐車場西側地下に配置される予定で、既に掘削工事が進んでいた

2025年時点では事業未着手の「西山手ルート」は東京貨物ターミナルから大井町駅・新宿駅へ、「臨海部ルート」は東京貨物ターミナルからりんかい線を経由し、東京テレポート駅・新木場駅へ接続する計画です。西山手ルートではりんかい線との接続により埼京線経由で新宿方面に直通。臨海部ルートは京葉線との直通を想定し、臨海部のアクセス改善と利便性向上を図ります。両ルートとも将来の延伸や直通運転を想定した設計がなされています。

2025年4月19日・20日に田町駅付近で実施された大規模線路切換工事では、山手線外回り・京浜東北線南行の線路を最大2.3〜2.6m移設。雑魚場架道橋の横移動やホームの拡幅・縮小も行われ、東海道線上下間に羽田空港アクセス線の敷設スペース(約30m)を確保しました。工事に伴い山手線・京浜東北線は約1日半運休し、大規模な振替輸送や臨時列車が運行されました。

*羽田空港アクセス線は供用休止中の大汐線の高架橋や橋梁も活用

羽田空港アクセス線は、2023年6月に本格着工し、2031年度の開業を目指しています。開業後は、東京駅から羽田空港まで約18分で移動可能となり、多方面からの直通アクセスが可能になることで、都心と空港間の利便性が大幅に向上します。また、田町・品川エリアの交通結節機能強化や周辺再開発の促進にも寄与すると期待されており、東京圏の鉄道網における重要な幹線として位置付けられています。

関連記事→JR山手線および京浜東北線の田町駅付近で線路切換工事が行われた「羽田空港アクセス線(仮称)の整備事業」!!

最終更新日:2025年10月6日

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