東京都都市整備局は、品川駅に新たに整備を予定している「南側自由通路」の検討に着手しました。これまで未事業化のままとなっていた南側通路について、地下方式とデッキ方式の2案を比較し、それぞれの施工面や利便性、経済面を多角的に評価します。業務委託期間は2026年3月までとされ、検討成果は次の計画策定や事業化に向けた重要な基礎資料となります。
今回の取り組みは、リニア中央新幹線の開業や東京メトロ南北線の延伸など、大規模な交通計画が進展する中での一環であり、駅周辺の歩行者ネットワークを補完し、街全体の回遊性と利便性を高めることを狙いとしています。品川が「日本の南の玄関口」として国際的な交通拠点へ進化していく中で、歩行者にとって使いやすく安全な自由通路の整備は欠かせない要素となっています。
→建通新聞 都 品川駅の南側自由通路 検討に着手
→港区 港区地区計画の区域内における建築物の制限に関する条例の一部を改正する条例について
→国土交通省 品川駅西口周辺の施設配置計画について
品川駅南側自由通路の概要
- 検討開始
東京都都市整備局が品川駅に新設予定の「南側自由通路」について、正式に検討に着手。 - 未事業化の課題
これまで南側通路は事業化されておらず、駅周辺の歩行者ネットワークが不十分な状態が続いていた。 - 検討方式
地下方式(ボックス推進工法)とデッキ方式の2案を比較し、施工面・利便性・経済面を評価する。 - 業務委託期間
検討業務は2026年3月までとされ、成果は次の計画策定や事業化の基礎資料となる。 - 大規模交通計画との連動
リニア中央新幹線開業や東京メトロ南北線延伸などの大規模計画にあわせた検討である。 - 目的と狙い
歩行者ネットワークを補完し、品川駅周辺の回遊性と利便性を高めることが主な目的。 - 将来像
品川を「日本の南の玄関口」と位置付け、国際的な交通拠点にふさわしい歩行者環境を整備する方針。

品川駅は山手線南側に位置する巨大ターミナルであり、新幹線や在来線、京急線をはじめとする複数路線が集中する国内有数の交通結節点です。さらに、羽田空港や成田空港へのアクセス拠点としての役割も担い、国内外の利用者が集まる国際的な窓口のひとつでもあります。しかし、駅周辺は鉄道施設や国道によって分断されており、特に東西方向の移動が不便な状況が続いています。現在整備が進む「東西自由通路」の西側延伸により一定の改善は見込まれるものの、駅南部では依然として歩行者動線が不足しており、駅利用者や周辺居住者、来街者の利便性向上が大きな課題となっています。

こうした状況を踏まえ、2020年に策定された「品川駅・田町駅周辺まちづくりガイドライン」では、南北・東西を有機的に結ぶ歩行者ネットワークの形成が重点施策として掲げられました。今回の南側自由通路検討は、その具体化に向けた初めての実質的な取り組みであり、今後のまちづくり全体に大きな影響を与えるものとなります。

検討作業では、まず将来の歩行者需要を把握するために、既存の東西自由通路(延伸部分を含む)の交通量調査が行われます。そのデータをもとに基礎交通量を算出し、年代ごとの利用者数を推計することで、必要とされる通路幅員や空間規模を検討します。特に2045年頃を想定した将来需要を念頭に置き、長期的に不足のない設計を目指す方針です。
次に、整備方式として「地下方式(ボックス推進工法)」と「デッキ方式」が比較されます。地下方式では通路の深さ、接続先の階層、施工時の影響範囲などが検討され、歩行者の動線効率や快適性を最大化できるかが重要な評価ポイントとなります。一方、デッキ方式では、地上空間の活用や周辺施設との接続のしやすさ、景観への寄与といった観点が重視されます。それぞれの工法について施工計画や概算工事費が試算され、利便性・施工性・経済性をバランスよく考慮した最適な整備方針が導かれる予定です。


南側自由通路の検討は、駅全体の再編や周辺の都市整備計画と密接に関係しています。京急線の地平化や品川駅構内の大規模改良工事、高輪ゲートウェイ駅との回遊性強化などが並行して進められており、これらと連携することで交通結節機能の一体的な強化が可能となります。さらに、北口駅前広場の整備についても、UR都市機構を中心に計画が進んでおり、バス停配置や官民の役割分担が議論されています。自由通路の整備が進めば、バスやタクシーと鉄道、さらには周辺エリアをつなぐスムーズな動線が形成され、駅全体の利便性が飛躍的に向上します。


今後は、リニア中央新幹線の開業や東京メトロ南北線の延伸開業を見据え、品川駅が「日本のサウスゲート」としてふさわしい姿へと進化することが期待されています。南側自由通路はその基盤となる歩行者空間であり、国際都市・東京の玄関口にふさわしい安全性と快適性を備えた空間づくりが求められています。
最終更新日:2025年9月22日

