虎ノ門三丁目プロジェクトは、森ビルが東京都港区虎ノ門三丁目で推進する大規模再開発計画です。2025年の年頭所感において森ビルの辻慎吾社長が「2026年の都市計画提案を目指して推進する」と表明したことで、その存在が広く知られるようになりました。現時点では正式な計画概要や事業規模、建築物の高さなどは公表されていませんが、『新建築 2025年3月別冊』82ページ掲載の都市計画区域図「進行中プロジェクト」により、おおよその対象範囲が明らかになりつつあります。
区域は虎ノ門ヒルズ南側一帯に広がり、西側を江戸見坂、南側を地区幹線道路1号および気象庁・港区立教育センター合同庁舎、中央を国道1号線(桜田通り)が貫き、東側を虎ノ門ヒルズレジデンシャルタワー、北側を虎ノ門ヒルズ森タワーや虎ノ門ヒルズステーションタワーに囲まれたエリアとみられています。
区域内には森ビルの「ナンバービル」と呼ばれる虎ノ門30森ビル、35森ビル、36森ビル、37森ビルをはじめ、多数のオフィスビルや大使館施設などが立地しており、将来的には虎ノ門ヒルズと神谷町・麻布台エリアを結ぶ新たな都市拠点として再編される可能性があります。虎ノ門ヒルズ、麻布台ヒルズ、六本木ヒルズに続く森ビルの次世代プロジェクトとして、その動向に大きな注目が集まっています。
虎ノ門三丁目プロジェクトの概要
1.虎ノ門三丁目プロジェクトの概要
森ビルが東京都港区虎ノ門三丁目で推進する大規模再開発計画。
2026年の都市計画提案を目指し、虎ノ門ヒルズ南側一帯で始動する次世代都市開発。
2.区域図から判明した計画範囲
『新建築 2025年3月別冊』の都市計画区域図により、おおよその対象区域が明らかに。
江戸見坂から桜田通り周辺、虎ノ門ヒルズに隣接する広範囲な街区の再編計画。
3.再開発の中心となるナンバービル群
虎ノ門30森ビル、35森ビル、36森ビル、37森ビルなど森ビル保有資産が集積。
1970~1980年代に竣工した既存オフィス群の更新と高度利用の可能性。
4.周辺施設を含む面的な都市再編
区域内には江戸見坂森ビルや虎ノ門33森ビル、大使館施設などが立地。
単独建替えではなく複数街区を統合する大規模面的再開発の構想。
5.虎ノ門ヒルズとの連続性と拡張性
森タワー、ビジネスタワー、レジデンシャルタワー、ステーションタワーに隣接する立地。
既存の虎ノ門ヒルズと一体化し、都市機能を南側へ拡張する発展プロジェクト。
6.麻布台ヒルズと結ぶ新たな都市軸
神谷町・麻布台エリアとの中間に位置し、広域的な回遊性向上が期待。
虎ノ門ヒルズから麻布台ヒルズへ連続する国際的ビジネス・居住拠点の形成。
7.森ビルの次世代フラッグシップ開発
六本木ヒルズ、虎ノ門ヒルズ、麻布台ヒルズに続く新たな大型プロジェクト。
国際競争力強化と都市機能集積を目指す東京都心部再編の重要事業。

虎ノ門三丁目プロジェクトは、森ビルが推進する次期大型開発計画として位置付けられています。2025年1月に公表された年頭所感で辻慎吾社長は、総延床面積108万㎡超の六本木五丁目西地区プロジェクトに続く新たな開発として、本計画を2026年の都市計画提案に向けて進める方針を示しました。


現段階では正式な計画概要は発表されていないものの、対象地は虎ノ門ヒルズと神谷町トラストタワーの間に位置する一帯であり、森ビルが長年保有してきた複数のナンバービル群を中心に構成されています。
森ビルはこれまでも六本木ヒルズ、虎ノ門ヒルズ、麻布台ヒルズなど、街区全体を再編する大規模複合開発を得意としてきました。今回の虎ノ門三丁目プロジェクトも単なる建替えではなく、広域的な都市再編を伴うプロジェクトとなる可能性が高いとみられています。

これまで詳細がほとんど明らかにされていなかった虎ノ門三丁目プロジェクトですが、『新建築 2025年3月別冊』82ページ掲載の都市計画区域図「進行中プロジェクト」によって、おおよその事業区域が判明しつつあります。


区域は北側で虎ノ門ヒルズ森タワーおよび虎ノ門ヒルズステーションタワーに接し、東側には虎ノ門ヒルズレジデンシャルタワー、西側には江戸見坂、南側には地区幹線道路1号や気象庁・港区立教育センター合同庁舎が位置する広範囲な街区です。区域中央を国道1号線(桜田通り)が南北に貫いている点も大きな特徴です。
この範囲を見る限り、既存の虎ノ門ヒルズ街区と神谷町方面をつなぐ結節点となることが期待されます。また、区域内には複数の敷地や建物が含まれており、従来の単独ビル開発ではなく面的再開発となる可能性が高いと考えられます。現時点で高さや延床面積などの数値は不明ですが、周辺の超高層開発との連続性を考えると、相当規模の複合開発になる可能性があります。


計画区域の中心となるのが、森ビルが保有する虎ノ門30森ビル、虎ノ門35森ビル、虎ノ門36森ビル、虎ノ門37森ビルです。最も古い虎ノ門30森ビルは1975年竣工で、地上9階地下2階建て。35森ビルと36森ビルは1981年竣工、37森ビルも1981年竣工で地上13階建てとなっています。いずれも竣工から40年以上が経過しており、リニューアルは実施されているものの、近年の超高層複合開発と比較すると建物の更新時期を迎えています。


さらに区域内には江戸見坂森ビル、虎ノ門33森ビル、虎ノ門3丁目ビルディング、第二虎ノ門電気ビルディング、NTT虎ノ門ビル、駐日ナイジェリア大使館など多様な施設が立地しています。
森ビルは虎ノ門ヒルズ開発においても、かつてのナンバービル群を段階的に集約・再編しながら街づくりを進めてきました。今回の計画でも同様に、既存ストックを統合しながら新たな都市機能を導入する手法が採用される可能性があります。また2025年には虎ノ門ヒルズ南側で西島ビルを取得したことも報じられており、着実に用地整備が進められていることがうかがえます。


虎ノ門三丁目プロジェクトを理解するうえで欠かせないのが、周辺で完成した虎ノ門ヒルズとの関係です。虎ノ門ヒルズは2014年開業の森タワーを起点として、2020年にビジネスタワー、2022年にレジデンシャルタワー、2023年にステーションタワーが完成し、2025年にはグラスロックも開業しました。現在では開発面積約7.5ha、総延床面積約80万㎡に及ぶ巨大複合都市へと成長しています。
森タワーは高さ255.5m、ビジネスタワーは185.415m、レジデンシャルタワーは221.55m、ステーションタワーは265.75mという国内有数の超高層建築群で構成され、オフィス、住宅、ホテル、商業施設、カンファレンス機能が集積しています。また東京メトロ日比谷線虎ノ門ヒルズ駅との直結により、国際ビジネス拠点としての機能も大幅に向上しました。
虎ノ門三丁目プロジェクトは、こうした虎ノ門ヒルズの南側に位置しています。そのため、歩行者ネットワークや広場空間、地下接続通路などを介して既存街区と一体化し、「第二虎ノ門ヒルズ」とも呼べるような都市機能拡張が行われる可能性があります。

森ビルの近年の都市開発を象徴するのが、2023年に開業した麻布台ヒルズです。約8.1haの敷地に総延床面積約86万㎡を整備した巨大複合開発で、地上64階、地下5階、高さ325.49mの麻布台ヒルズ森JPタワーは日本一高い超高層ビルとして知られています。オフィス、住宅、ホテル、商業施設、医療施設、インターナショナルスクール、文化施設を集約し、「緑に包まれ、人と人をつなぐ広場のある街」をコンセプトに整備されました。

虎ノ門三丁目プロジェクトは、麻布台ヒルズから北へ徒歩圏に位置しており、神谷町駅周辺では既に虎ノ門ヒルズと麻布台ヒルズを結ぶ歩行者ネットワークや都市基盤整備が進んでいます。そのため将来的には、虎ノ門ヒルズ~虎ノ門三丁目PJ~麻布台ヒルズという一連の都市軸が形成される可能性があります。森ビルが掲げる「Vertical Garden City(立体緑園都市)」の考え方に基づけば、超高層建築だけでなく、広場や緑地、歩行者空間を組み合わせた国際競争力の高い都市空間が創出されることも期待されます。
2026年の都市計画提案に向けて、今後は区域の詳細や建築計画、事業スケジュールなどが徐々に明らかになっていくとみられます。虎ノ門ヒルズの完成によって大きく変貌した虎ノ門エリアが、さらに南側へ拡張しながら進化していく次のステージとして、虎ノ門三丁目プロジェクトは東京を代表する再開発の一つになる可能性を秘めています。
最終更新日:2026年5月24日