大阪府・大阪市は、2025年の大阪・関西万博後を見据えた成長戦略「Beyond EXPO 2025」の一環として、京橋駅周辺を新たな国際的都市拠点へと再整備するための動きを本格化させています。令和7年度に向けて「京橋駅周辺の土地区画整理事業及び都市計画道路玉造筋線等に関する検討調査業務」を実施すると発表し、同エリアの土地区画整理事業や都市再生緊急整備地域への指定に向けた具体的検討を進めることを明らかにしました。京橋エリアは、大阪第4のターミナルであり、観光・ビジネス・教育研究・イノベーションなど多彩な都市機能が集中する大阪城公園周辺地域の東の玄関口として、今後さらなる国際競争力強化が期待されています。
→大阪市 令和7年度京橋駅周辺の土地区画整理事業及び都市計画道路玉造筋線等に関する検討調査業務委託
→大阪市 大阪城公園周辺地域
京橋駅周辺の開発構想の概要
- 京橋エリアの再開発方針
大阪府・大阪市は、2025年の大阪・関西万博後を見据えた「Beyond EXPO 2025」の一環として、京橋駅周辺の国際都市拠点化を目指す再整備を本格化。土地区画整理や道路整備の調査業務を令和7年度に実施予定。 - 京橋駅の交通結節機能と再編計画
JR・京阪・地下鉄が交差する大阪第4のターミナルである京橋駅を中心に、JR片町線・東西線の地下化を含む約5.5haのエリアを対象に再整備を検討。鉄道による地域分断の解消と、駅前再編による利便性向上を図る。 - 都市計画道路「玉造筋線」の整備
森之宮から京橋にかけての幹線道路整備により、広域的なアクセス性を向上。JRの地下化と連動し、歩行者と車の動線を分離した安全・快適な都市空間を目指す。 - 大阪城公園・OBP・森之宮との広域連携
京橋を東の玄関口とし、大阪城公園・大阪ビジネスパーク(OBP)・森之宮との面的連携を強化。観光・ビジネス・教育・研究が融合する国際拠点の形成を目指す。 - 国際的な集客・宿泊・商業機能の導入
駅前を中心に、外国人観光客対応の宿泊施設や商業施設などを誘致し、国際的な集客・滞在空間を整備。地域の賑わいと経済活性化を推進。 - イノベーションと共創拠点の拡充
既存の「QUINTBRIDGE」に加え、共創型オフィスやスタートアップ支援施設を整備。DX・ICT分野の研究やビジネス創出を支える拠点として機能させる。 - 人中心の都市空間と次世代モビリティ構想
歩行者デッキや広場整備、空飛ぶクルマ(UAM)の導入も視野に入れ、快適でスマートな都市空間づくりを推進。持続可能なまちづくりを目指す。

京橋駅は、JR・京阪・Osaka Metroが交差する大阪有数の交通結節点であり、周辺には商業施設やオフィスビル、住宅などが密集しています。特にJR片町線・東西線の地下化構想は、鉄道による地域分断の解消と周辺地域の一体的再整備を可能にするもので、今回の調査業務ではその実現可能性を含めた基盤整備の検討が行われます。再編対象となるのは、JR線の地下化を見据えた約5haのエリアと、京阪京橋駅・JR京橋駅の乗換動線周辺の約0.5haで、合計7名程度の権利者が関与する計画です。
京橋はまた、大阪城公園や大阪ビジネスパーク、森之宮エリアと地理的にも接しており、これらを面的につなぐことで、国際的な集客や人流、ビジネス交流の拠点としてのポテンシャルを大きく高めることが可能になります。

京橋駅周辺では、都市計画道路「豊里矢田線」及び「玉造筋」の整備も重要なテーマです。この幹線道路の整備は、森之宮エリアや大阪ビジネスパークとの広域的なアクセス向上をもたらすもので、JR片町線・東西線の連続立体交差化(地下化)と連動して地域のモビリティ改革を進める計画です。さらに、将来的には新駅の整備や空飛ぶクルマ(UAM)の離発着場の導入といった次世代交通の導入も視野に入れ、交通結節点としての京橋の機能強化が図られようとしています。
また、歩行者ネットワークの整備にも注力しており、大阪城公園から京橋、大阪ビジネスパークまでを結ぶデッキや広場、歩道空間の整備を通じて、人中心の快適で回遊性に優れた都市空間を創出する計画が進められています。

京橋駅周辺および大阪ビジネスパーク周辺は、それぞれ異なる都市機能とポテンシャルを持ちながらも、相互に補完しあう都市構造を形成しています。京橋駅前では、国際的な宿泊施設や集客施設、商業空間を備えた複合開発が予定されており、地域一帯を「国際的な集客・滞在・商業空間」として再構築することで、新たな賑わいを創出しようとしています。
大阪ビジネスパークには既に大企業が多く立地しており、ICT・DX分野での研究や開発の拠点として機能しています。また、京橋北側にはNTT西日本のオープンイノベーション拠点「QUINTBRIDGE」があり、これに続く形で、共創型のオフィスやスタートアップ支援施設の導入が検討されています。森之宮では大阪公立大学のキャンパス移転も進み、学術・研究と都市機能が融合したエリア形成が期待されています。

このように、それぞれのエリアにおける特性を最大限に活かしつつ、都市全体としての国際競争力や回遊性を高めていく「Connective City 京橋」のビジョンの下、今後の土地利用や空間設計が進められていきます。再開発エリアでは既存ビルのリノベーションも含め、スタートアップ支援、共創空間整備、緑地・水辺空間の魅力向上といった多面的な都市づくりが進行中です。
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最終更新日:2025年5月7日